研究課題/領域番号 |
13F03509
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
徐 強 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員
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研究分担者 |
ZHU Qilong 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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キーワード | 水素 / 水素貯蔵 |
研究概要 |
水素エネルギー社会を実現するためには、高効率水素貯蔵技術の確立が必要不可欠である。最近アンモニアボラン等による化学的水素貯蔵が盛んに研究され、水素吸蔵合金と比べ格段に重量密度の高い水素貯蔵が可能になるとされている。しかし、これまで報告されている化学的水素貯蔵材料は水素放出温度が高い上、燃料電池電極触媒の被毒成分となるアンモニア等の発生が問題となっている。そのために、水素含有量が高く、温和な条件下で水素放出が可能で且つ燃料電池電極触媒の被毒成分を副生しない化学的水素貯蔵材料の開発が強く求められている。本研究では、ホウ素-窒素系化学水素化物を有望な水素貯蔵材料として取り上げ、ホウ素-窒素系化学水素化物の選択的脱水素化・水素発生触媒を開発し、高性能水素貯蔵材料・技術の確立を目的としている。多孔質炭素MSC-30を担体として用いて、NaOHの共存条件下でNaBH₄を用いて、前駆体金属塩を還元することにより、多孔質炭素担持ナノ粒子触媒NtPt@MSC-30を合成した。本NtPt@MSC-30触媒は、ホウ素-窒素系水素貯蔵材料の選択的脱水素化・水素発生反応に高い触媒活性を示すことが明らかになった。詳細に検討した結果、還元過程におけるNaOHの存在は、Ni_2₊及びPt_2₊前駆体の還元において、Ni(OH)_2中間体を経由したナノ粒子の高分散化・粒子径制御に重要な役割を果たしていることがわかった。現在、、ホウ素-窒素系水素貯蔵材料の選択的脱水素化・水素発生における触媒の活性向上に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究計画に沿って、多孔質材料を担体として使用して、ホウ素-窒素系水素貯蔵材料の選択的脱水素化・水素発生において高い活性を示す触媒を合成し、触媒形成における合成条件と触媒構造との相関を解明している。研究計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、研究計画に沿って実験・研究を行い、多孔質材料を担体として使用して、ホウ素-窒素系水素貯蔵材料の選択的脱水素化・水素発生にける触蝶の活性の更なる向上に取り組む予定である。研究計画を変更することなく、当初計画に沿った実験・研究を実施する予定である。
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