研究課題
私たちはプルキンエ細胞内に存在するRNAを研究した。当該細胞は脳内の小脳と 呼ばれる部位に見られる神経細胞で、その役割の1つは体の動き を制御するこ とである。そのため、また、プルキンエ細胞は大型の細胞で発見しやすいことか ら、脳の可塑性を解明するための数々の研究の対象と なってきた。プルキンエ 細胞のシナプス内にリボソームが存在することが報告されたことを受け、当プロ ジェクトでは、これらのリボソームに関連 するRNAの特徴付けと定量化を目指し た。これらのリボソームがシナプス可塑性を制御するタンパク質の生成あるいは 翻訳自体に関連している可 能性があるためである。私たちは理化学研究所脳科学総合研究センターLauney研究ユニットとの共同研究 により、リボソーム・キャプチャーと呼ばれる方法を用いて プルキンエ細胞内 のリボソームを選択的に標識化し、これらのリボソームと結合したRNAを収集し た。そして、収集したRNAを理化学研究所ラ イフサイエンス技術基盤研究セン ターが開発したCAGEscan法を用いて解析し、RNAの転写開始点を同定、その量を 計測し、構造の特性を 明らかにした。この方法により私たちはプルキンエ細胞 のための新たなRNAマーカーを発見し、当該リボソームと同時精製されたことか ら翻訳の 制御にかかわっている可能性のあるノンコーディングRNAを同定。この 研究結果は『Genome Research』誌に発表した(Kratz et al. , 2014)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
Genome Research
巻: 24 ページ: 1396-410
10.1101/gr.164095.113
http://www.riken.jp/en/pr/press/2014/20140606_1/
http://www.asianscientist.com/2014/06/in-the-lab/teasing-purkinje-proteins-2014/