研究実績の概要 |
研究の実施は、主に京都大学において、またタンペレ工科大学への2回の訪問において行った。 成果はIEEE主催の3つの国際会議 (IEEE ICASSP’14, IEEE VTC’14-Spring, European Wireless 2014)で発表したほか、IEEE Transactions on Wireless Communicationsへのフルペーパーの投稿を行っている。また、京都大学への訪問前に投稿していたIEEE Transactions on Wireless Communicationsへの別のフルペーパーの修正も、本研究中に行った。その他、電子情報通信学会無線通信研究会での発表を行った。 これまでの全二重無線通信機の研究においては、前述の通り、デバイスの精度については大きな注意が払われてこなかった。当特別研究員は本研究以前に、位相雑音は全二重無線通信機の性能に大きな影響を与えること、また位相雑音を軽減する送受信機構成を提案したが、それでもなお位相雑音の影響の軽減が必要であった。そこで国際会議論文の1つにおいて、位相雑音の推定を用いた軽減手法を提案した。 位相雑音に加えて、サンプリングジッタの影響についても検討を行った。これまでサンプリングジッタの影響は検討がされていなかったが、小型の全二重無線通信機を実現しようとする際には重大な問題を引き起こすことを国際会議論文の1つにおいて示した。また、他の国際会議論文において、サンプリングジッタの影響を軽減する手法を提案した。
|