研究課題/領域番号 |
13F03730
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅 裕明 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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研究分担者 |
GEIERMANN Anna 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | アミノ酸 / 特殊ペプチド / 翻訳 / リボソーム |
研究概要 |
当研究室では、主骨格にNメチル化を含む大環状特殊ペプチドの迅速探索技術RaPIDシステムの開発に成功し、これまでに標的蛋白質に強力に結合する望みの特殊ペプチドを発見できることを実証した。しかし、未だ優れた細胞膜透過をもつ特殊ペプチドを発見することはできていない。これを踏まえ、本研究では膜透過を困難にしていると予想される電荷アミノ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、アルギニン側鎖をプロドラッグ化することで膜透過性を高めるデザインを施し、獲得した特殊ペプチドにより高い膜透過性を付与するプラットフォーム技術の開発を目指した。今回の技術を実証する標的として、Keapl-Nrf2のタンパク質タンパク質相互作用を阻害する膜透過性大環状特殊ペプチドの開発に挑むこととした。上記の標的タンパク質に加え、GPCRのひとつであるCXCRを標的とした大環状特殊ペプチドのリガンド創製も試みることとした。この標的は、まだ高解像度のX線構造解析に成功しておらず、新たなリガンドを創製することで、不安定なGPCR膜タンパク質との共結晶によって構造を安定させ、高解像度の構造解析の達成を目的とする。現在、大環状特殊ペプチドの探索を進めているところである。 また、Geiermann博士は、菅研に着任して以来、研究室内で進めているリボソーム改変にも興味をもち、新たにその関連プロジェクトにも着手した。このプロジェクトでは、これまで野生型翻訳系では、伸張導入が困難だったD体のアミノ酸の連続導入を目指し、リボソームを改変することで達成しようとするもので、現在変異型リボソームの調製を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電荷アミノ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、リシン、アルギニン側鎖にエステラーゼで切断可能なプロドラッグ型保護基を設計した。現時点では、それらの側鎖をもつアミノ酸の合成段階であり、特筆すべき成果には至っていないが、合成を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
申請当初の計画について、今後の変更はないが、新たにリボソーム改変の計画を立てているので、並行して研究を推進していく。
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