研究課題/領域番号 |
13F03736
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
李 玉友 東北大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究分担者 |
HE Shilong 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 浸出水処理 / UASB / 硝化 / Anammox / 負荷 / 窒素除去 / 化学量論 / 阻害 |
研究概要 |
廃棄物の最終処分施設として埋立処分場が環境保全上の重要な役割を果たしている。しかし、埋立処分場で発生する浸出水には高濃度の有機物の他に、窒素や難分解性物質も含むので、そのすべての汚濁物質を効率よく浄化処理するために新しい技術の開発が求められている。本研究は、新しいユニットプロセスを浸出水処理に応用することを目指して、UASBと膜分離生物反応槽による有機物の除去、SHARONとANAMMOXによる窒素除去および促進酸化(AOT)による難分解性物質の酸化といった三つのプロセスを組み合わせることによって、埋立処分場浸出水を効率よく処理する新しい排水浄化システムを確立しようとする技術開発である。平成25年度では、SHARONとANAMMOXによる窒素除去に焦点を絞り、次の成果が得られた。 1. SHARONによる部分硝化の実現に関する検討 DO濃度と酸素供給量を制御することで、硝化反応を部分的亜硝酸酸化に制御することができ、また生成したNO_2^--N/NH_4^+-Nの比率もコントロールできることを把握し、その制御方法を明らかにした。 2. ANAMMOXプロセスのUASB連続実験 UASB型反応槽を用いてANAMMOXグラニュールを培養できた。ANAMMOX反応は基質濃度、栄養塩、窒素負荷などの変化に敏感であり、FAとFNAは阻害の要因となる。FAとFNAの濃度はそれぞれ20mg/L、5μg/L超えた時、ANAMMOX反応は50%以上に阻害された。混合培養系ANAMMOXシステムにおいて生成されたNO_3^-もNH_4^+と反応したので、それによりR_SとR_PがANAMMOX反応の理論値より低かった。反応槽の中でANAMMOX反応以外の生物反応が存在することはその原因であると考えられる
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究が目指している新しいシステムは有機物の除去、SHARONとANAMMOXによる窒素除去および促進酸化(AOT)による難分解性物質の酸化といった三つのプロセスを組み合わせることであるが、H25年度ではまず最も難しい窒素処理の新しいプロセスについて研究を行い、順調に成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度では本研究の最も難しい窒素処理の新しいプロセスについてよい成果を上げることができたので、今後、SHARONとANAMMOXの組合せによる窒素除去の最適化を図るとともに、有機物処理ユニットと難分解生物質の分解について検討を始める予定である。
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