平成26年度は,計画通り,つくばロボット特区内の実験環境において,複数人の被験者実験を行い,開発したモーション情報を利用した推定アルゴリズムの評価を行い,手法の有効性を確認した.日本を含めた先進国では,高齢社会を迎えるに当たり,高齢者のQuority of Life(QoL)の向上が求めらている.QoLの向上には,自由で快適な移動が欠かせないが,その解決策の一つとして,移動を支援するためロボット技術が注目されている.本研究は,搭乗型ロボットにおけるヒューマンマシンインタフェース(HMI)において,搭乗者によるモーション情報を利用した意図推定を利用したHMIの開発を目的とし,リアルワールドでの被験者実験という最も現実に近い環境下でもロバストなHMIの構築を目的としている.提案する手法では,まず初めに特徴を抽出・記憶するための手法を構築し,その特徴量に照らし合わせることで,現在の状態推定を行うことを可能としている.本研究では,より複雑な環境下である屋外の一般環境下でロボットの実験が可能であるつくばロボット特区を活用し,リアルワールド環境下での被験者実験を行い,提案手法の有効性評価を行った.被験者実験では,提案する手法をもちいることで,約95%の状態推定の正解率を達成することができた.これらの関連成果を国際学会で2件発表し,更なる実験結果等を追加したものを国際誌に投稿することができた. また,提案する学習・推定手法を用いて,別のセンサ機器での利用可能に向けた検討も行うことができた.この検討結果をもとに,次年度実験・発表等を行っていく予定である.
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