研究課題
本課題は、東南極で行っていたModerate-Resolution Imaging Spectro radiometer (MODIS)の可視・赤外線データから定着氷を検出する手法を、全南極に適用することが主なテーマである。昨年度までに開発したMODISデータから半自動化して南極の定着氷の検出する手法を全南極海に適用して、2000年から2014年の14年間の全南極の定着氷データセットを完成させた。完成されたデータセットは、全南極域では初めての高い(2-3km)分解能を持つ定着氷データセットとなり、海洋・海氷・棚氷結合モデルの境界条件データセットとしてもすでに利用されている。南極ケープダンレーポリニヤでは、作成された定着氷を用いて、海氷生産量の季節変動と経年変動が定着氷と強くリンクしていることを明らかにした。また、作成された定着氷データと海氷生産量データ、日豪による現場海洋観測データを合わせた解析から、アデリーランド沖での底層水生成システムとメルツ氷河崩壊によるインパクトを定量的なレベルで明らかにした。氷河大崩壊により海氷生産量は40%減少したこと、氷河崩壊によって定着氷分布が大きく変わったことも海氷生産量の変化に大きく効いていること、などを明らかにした。これらの研究を含めた、代表的なポリニヤでの定着氷と海氷生産量の経年変動に関する研究はJournal of Geophysical Researchに受理された。作成された定着氷時系列データから、南極昭和基地のあるリュッツォ・ホルム湾での定着氷の季節・経年変動が今までよりはるかに高精度で明確になった。これらは、「しらせ」の航行戦略や南極観測隊のオペレーションにも大きく役立つこととなる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Deep Sea Research Part II
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.dsr2.2015.10.003
EOS
巻: 97 ページ: 印刷中
10.1029/2016EO043673
10.1016/j.dsr2.2016.02.003
Annals of Glaciology
巻: 56 ページ: 436-444
10.3189/2015AoG69A621
The Cryosphere
巻: 9 ページ: 6187-6222
10.5194/tcd-9-6187-2015