中国とアフリカの開発協力：地球規模の社会ガバナンスヘの影響

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13F03763
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (90112474)
• 研究分担者: URBINA-FERRETJANS Maria 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 中国 / アフリカ / 南南社会協力 / グローバルな社会政策 / グローバル・ソーシャル・ガバナンス / 国際開発 / ポスト2015年開発アジェンダ / アジア援助

研究実績の概要

平成26年度は、当初の予定通り、フィールドワーク及びデータ収集、データ分析、論文執筆に取り組んだほか、普及啓発や今後の共同研究の可能性に向けて、研究を推進した。なかでも、専門家へのインタビューや、文献分析に注力した。質的データ分析のソフトウェアを用いて、収集したデータの管理と処理を行い、データ分析を進めた。専門家のインタビューについては、ニューヨーク、ワシントンDC、ジュネーブ、パリ、チュニジア、エチオピア、日本にて、国連事務局、国際通貨基金（IFI）、政府関係者、大使や外交官のほか、財団や非政府組織、大学やシンクタンクの、ポスト2015年開発プロセス及び南南協力のイニシアチブの関係者、特に、中国及びアフリカ開発協力分野の関係者を対象に実施した。
本研究の成果については、国内外のフォーラムにて発表し、また、フォーラムの参加者と積極的に交流、意見交換を行い、人脈形成、ネットワークの拡大に努めた。
出版物については、平成26年度に大きな進展が見られた。オックスフォード大学のSurender教授との共同執筆、さらに、パルグレイブ・マクミラン社が、研究員の中国・アフリカ協力に関する発表内容に興味を示し、現在、同社の書籍の原稿を執筆している。
横浜での第18回ISA世界社会学会議（平成26年7月）において、国連大学が開催したサイドイベント、「ポスト2015年開発アジェンダの文脈におけるグローバルな社会政策：今後の研究課題と政策研究協力）」をテーマにしたワークショップでは、主な議論と、短期・長期のフォローアップ・アクションのための提案の両方をまとめた同ワークショップの報告書を作成した。この報告書は、今後のさらなる議論や提唱、ファンドレイジングの際の資料として活用できる。

現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初、提出した研究計画では、フェローシップの終了時までに計3本の論文を執筆する予定となっていた。しかし、現段階で既に学術論文1本、本の章を2章、そして書籍1冊と、計4本の論文が受理されている。このほかにも、2本の論文の投稿を予定している。一次データの収集、ワークショップの実施、普及啓発や人脈形成など、研究計画にあるその他の活動についても計画通りに実施した。

今後の研究の推進方策

平成27年度、フェローシップの最終年度も、引き続き、当初の研究計画に沿い本研究を継続する予定である。既に受理済みの2本の論文の最終校正及び修正作業を完了させ、さらに進行中の論文2本の執筆を進める。人脈形成のためのネットワーキングや普及啓発活動により重きをおく予定であり、そのため、海外のみならず、日本国内においても本研究の成果を広く発表し、日本の研究者たちと共有、他の大学や研究機関との共同プロジェクトの可能性を模索したいと考えている。研究計画及び推進方策についての変更はない。

研究成果

• [学会発表] Sino-African cooperation in education and training: a productivist human development approach? (2015)
  • 著者名/発表者名: Maria Urbina-Ferretjans
  • 学会等名: ACE-ID2015: The Asian Conference on Education and International Development
  • 発表場所: 大阪国際会議場（大阪府大阪市）
  • 年月日: 2015-03-31
• [学会発表] Social policy in the context of new global actors: how far is China’s development model in Africa impacting traditional donors? (2014)
  • 著者名/発表者名: Maria Urbina-Ferretjans
  • 学会等名: XVIII ISA World Congress
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2014-07-14
  • 招待講演
• [図書] Future directions in social development (2016)
  • 著者名/発表者名: Rebecca Surender, Maria Urbina-Ferretjans, James Midgley, Manohar Pawar, David Androff, Shahana Rasool Bassadien, Mel Gray, Raymond Man Hung Ngan, David Cox, Leila Patel, Marianne S. Ulriksen
  • 総ページ数: printing
  • 出版者: Palgrave Macmillan
• [図書] Sino-African development cooperation: Implications for Global Social Policy and Governance (2016)
  • 著者名/発表者名: Maria Urbina-Ferretjans
  • 総ページ数: printing
  • 出版者: Palgrave Macmillan
• [図書] Actors and Agency in Global Social Governance (2015)
  • 著者名/発表者名: Rebecca Surender, Maria Urbina-Ferretjans, Caroline Bracht, Bob Deacon, Valeria Fargion, Bob Jessop, Alexandra Kaasch, John Kirton, Johannes Kruse, Julia Kulik, Rianne Mahon, Kerstin Martens, Marco Mayer, Karen Mundy, Frank Nullmeier, Paul Stubbs, Antoni Verger, Janine R. Wedel
  • 総ページ数: printing
  • 出版者: Oxford University Press