研究課題/領域番号 |
13F03780
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授
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研究分担者 |
HYSING Johan Shu-ren 東京工業大学, 学術国際情報センター, 外国人特別研究員
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キーワード | 気液二相流 / 有限要素法 / 行列ベクトル積 / 幾何学的マルチグリッド法 / MPI-Open MPハイブリッド並列計算 / 混合精度計算 / GPU |
研究概要 |
気液二相流のシミュレーションを高精度かつ高効率に実行することのできるコードとして、有限要素法(FEM)とParticleレベルセット法を組み合わせ、動的に格子解像度を適合させる手法を導入し、気液界面に最大解像度を適合させることで界面の変形を精度よく捉える手法を提案した。まず、気泡や液滴の合体・分離の数値シミュレーションおよび数学的モデリングに関する既往研究をサーベイし、格子生成や適合格子細分化法に適する計算手法を調査した。 非構造格子に対して構造格子のFEMの優位性を確認し、コード開発に着手した。計算時間の最もかかるPoisson方程式を解く部分のコード開発を行った。クリロフ部分空間法の収束計算は行列ベクトル積の繰り返しであり構造格子に対して実装した。幾何学的マルチグリッド法を前処理として導入し、従来のCRSフォーマットで間接参照する非構造格子の場合と比較して20倍の高速化を達成した。また、非ゼロ要素の係数行列を別メモリとして確保する必要がないため、Poisson方程式を解くためのメモリを50%低減することができた。 複数ノードを用いた並列計算を前提とし、メモリ分散環境に適合するためのMPIライブラリを用いた通信を前提とする領域分割を行った。ノード内はOpenMPによるハイブリッド並列計算の効率を上げるために、キャッシュ・ブロッキングを進めている。また、GPUは単精度演算性能が高いために、行列ベクトル積の計算に単精度・倍精度を混合した計算を提案し、計算精度を損なうことなく大幅な高速化を達成する見込みが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画では予定していなかった幾何学的マルチグリッド法を前処理として導入し、従来のCRSフォーマットで間接参照する非構造格子の場合と比較して20倍の高速化を達成した。また、単精度一倍精度の混合計算にも着手した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進める。
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