研究実績の概要 |
分担者は、フッサールおよびライプニッツのモナド概念に関する研究を、西田幾多郎の哲学と付き合わせるという研究を継続した。とりわけ、ライプニッツとデカルトの哲学に関する西田の解釈を詳細に検討した。その成果は、2015年7月に京都で開催された西田哲学会第13回年次大会において行った発表に生かされているほか、The Essence of Individuality in Kitaro Nishida’s works と題する論文においても、本質的な役割を果たしている。後者の論文は、Gilles Campagnolo氏によって編集された Liberalism and East Asian/Chinese economic development: Perspectives from Europe and Asia(Routledge, 近刊)と題する論文集に収録される予定である。 また、分担者は「自己」に関する研究を継続し、2015年5月、Self and (its) Realization(s)と題する国際会議を企画し、研究代表者との協力のもと、北海道大学で同会議を開催した。基調講演者としてゲイレン・ストローソン氏を招聘したほか、6名の招待講演者、公募による15名の発表者が研究発表を行い、「自己」の問題をめぐって集中的に討議を行った。 今年度は、パドヴァ大学との研究交流も拡大し、同大学から2名の研究者を招聘し、二つのワークショップを開催した。さらに、Alessandro Salice 氏を招聘して、ワークショップを開催した。 研究分担者は、現象学の国際研究誌 Metodo の編集委員として、同誌において「超越論的なもの」に関する特別号を企画し、刊行した。この特別号には、分担者の依頼により、現象学および超越論的哲学の著名な研究者が論文を寄稿している。
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