研究課題/領域番号 |
13F03802
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授
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研究分担者 |
LAJKO Miklos 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | 量子相転移 / スピンチューブ / ホール効果 / 多重Q秩序 |
研究概要 |
1次元量子スピン系は、多くの物質の現実的なモデルであるだけでなく、厳密解や場の理論、また密度行列くりこみ群(DMRG)などの現代的な数値手法により精緻な理論的理解が得られている。スピンチューブは、1次元量子スピン系と2次元系の中間的な系として、またフラストレーションの効果を探求する舞台として、量子多体系に関する理解を深めるためのステップとなる対象である。 本年度は、まずスピン梯子およびチューブ系の数値的研究を進める準備として、DMRGコードの改良およびスーパーコンピュータへの移植と調整を行った。同時に、理論面ではスピン梯子およびチューブ系の臨界点における不安定性を解析し、複数の波数を持つ秩序パラメータが共存する多重Q秩序状態の出現の可能性を議論した。この考察は2次元系における多重Q秩序状態の理解にも役立つと期待される。その例として、低温で多重Q秩序およびホール効果が観測されているMnTe_2やNiS_2のモデル化や相図についての議論を行った。ShindouとNagaosaは、このような系を古典スピンと結合した格子上の電子系としてモデル化を行ったが、スピン部分については多重Q秩序状態を仮定してこれが電子系におよぼす影響を考察した。しかし、実験では磁場や温度を変化させるとスピン状態も変化する。このような状況を扱うには、スピン部分も動的に扱う必要があり、これに適切なモデル化を検討した。さらに、スピン状態の変化に加えて格子変形が電子の運動とどのように結合して影響を及ぼすかについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年11月末に研究を開始したため、今年度は研究打ち合わせと予備的な研究を主に行った。
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今後の研究の推進方策 |
スピン梯子・チューブ系を含む1次元系に対して非常に強力な密度行列くりこみ群(DMRG)やinfinite time-evolving block decimation (iTEBD)などの数値的手法を活用しながら、2次元の興味ある系に対して具体的な予言を行うことを念頭に研究を推進する。
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