研究課題/領域番号 |
13F03806
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
角南 篤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (20361884)
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研究分担者 |
KUMMITHA Rama Krishna 政策研究大学院大学, 政策研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的起業 / テクノロジー / 持続可能な開発 / 資源ベース論 / ケニア / インド / バングラデシュ / ウガンダ |
研究実績の概要 |
平成26年度には、インド、バングラデシュ、ウガンダ、ケニアを中心にアジアとアフリカにおける実地調査を行った。約20名の社会起業家(アショカ・フェロー)を対象に、それぞれ2~6時間ほどインタビューを行った。 この調査の一次分析の結果、社会的企業の技術面での能力育成が難しい課題であり、社会的企業が抱える多くの内部事情や財政問題が、この問題をさらに困難にしていることが明らかになった。社会的企業における、技術面での能力育成について、「資源ベース論」と呼ばれる理論の検証を本研究の一部としてとりいれた。資源ベース論をパラメーターとして採用し、社会的企業がどのように内部の知識システムを獲得し、向上・促進しているかを考察するよう試みる。 加えて、現地調査では、持続的な発展に貢献する社会起業の役割が明らかになった。ほぼすべての社会的企業が、社会的な問題に取り組むために事業を始めたことがわかった。社会起業の文脈において社会的な問題に対処するには、革新的な解決策、地域社会の中でのレジリエンス、そして持続可能な手段が必要となる。つまり、すべての社会的企業は、知らず知らずのうちに持続可能な開発のより大きなディスコースに貢献しているのである。 社会起業の他の様々な問題も、調査によって明らかになった。例えば、社会的企業には株主がいるべきではないと論じられているのに対し、実際は 株主がいることなどである。株式を購入できるのが従業員だけの場合もあれば、誰でも購入し利益を上げられる場合もあり、また投資家が株式を保有している場合もある。社会的投資における成長傾向に起因して、このような現象が起こり始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初に計画したとおり、本研究プロジェクト関連の実地調査を年度内に完了した。実際、より綿密な実地調査を行うことができた。計画当初、ケニアとインドの2カ国を、それぞれアフリカとアジアのケースとして実地調査を行う予定であったが、他の専門家との議論を重ね、ウガンダとバングラディッシュを加えた4カ国に調査対象を広げた。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、研究計画の変更は必要ない。本研究に必要な関連データはすべて収集したため、今後数ヶ月はデータ分析を集中して行う予定である。現時点での達成度に満足している。
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