研究課題
創成的基礎研究費
陽子を150MeVまで加速する150MeV FFAG加速器の開発研究を行っている。FFAG加速器は、物理実験のみならず癌治療や加速器駆動型原子炉といった応用利用領域からも早期開発の要望が大きい。150MeV FFAG加速器は実用機のためのプロトタイプであり、今後主に癌治療のための照射技術の基礎開発研究を行う予定である。これまでに加速器リングを構成する偏極電磁石の製作を行った。この電磁石は、発散・収束・発散電磁石を一つに統合し、かつ収束磁極部分のヨークを取り去った、トリプレット型リターンヨークフリー電磁石である。これらの完成を受け磁場測定を行ったが、それぞれの個体差について約0.3%以下であることが得られほぼ同一な電磁石が製作されたことを確認した。また、ビーム取り出しのためのキッカー電磁石用電源の充電部を製作した。キッカー電磁石用電源は、70kVの高圧で約100nsecの立ち上がりパルス電流を250Hzの繰り返しで発生する。さらに、FFAGへの陽子ビーム入射用サイクロトロン加速器の電源および制御システムの製作を行った。これら制御システムによりサイクロトロンを遠隔から完全制御できる。ビーム入射については、シミュレーションをおこない入射システムに必要な機器の詳細設計を行った。ビーム診断系としては、位置検出モニターのプロトタイプを製作し、これまでにその性能評価のための実験を小型FFAG加速器(PoP FFAG加速器)で行っている。
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