研究分担者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医学部, 教授 (10175127)
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
田之倉 優 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60136786)
樗木 俊聡 秋田大学, 医学部, 教授 (50233200)
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研究概要 |
学術創成研究費「食物質による免疫作動機構の解明と応用技術の開発」で得られた平成14年度の研究実績は以下のとおりである。 1)生体内で最大の第2次リンパ組織である腸管パイエル板が急性の移植片対宿主病(骨髄移植療法における大きな障壁)の発信源であることを松島綱治教授(東大)、末松誠教授(慶大)との共同研究で明らかにした(Nature Immunology.4:154,2003)。この業績はNature ImmunologyのCover Storyとして解説されるとともに、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞の科学欄にも紹介された。 2)Phosphoinositide 3-kinase(P13K)が樹状細胞(DC)のIL-12産生を抑制することによって、T_H1機能を制御すること(Nature Immunology.3:875,2002)やB細胞受容体からのシグナル伝達におけるユニークな役割を明らかにした(Nature Immunology.3:in press,2003)。 3)ヒト骨髄移植後、損傷した腸管上皮細胞が骨髄由来の細胞で再生されることを、初めて明らかにした(Nature Medicine.8:1011,2002)。 4)腸管常在細菌(フローラ)は腸管粘膜の生理的機能と両方向性の連結がみられる。フローラの産生するNOやCOの生理的機能解明が望まれているが、毛細動脈と毛細静脈に作用するNO産生源がかならずしも同一でないことを明らかにした(Circulation Research.91:e55-e64,2002)。
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