研究課題/領域番号 |
13J00050
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丹間 康仁 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 人口減少社会 / 学校統廃合 / 廃校 / 公民館 / 小規模校 / 社会教育 / 地域福祉 / 地域づくり |
研究概要 |
本研究は、学校統廃合によって小中学校を失った「無学校地区」の生活や教育の実態を明らかにしたうえで、子どもや住民が集い学ぶための拠点を創出する方策について究明することを目的としている。平成25年度は、主に3つのテーマで研究を進めた。 第一に、学校統廃合の実施された地区の前提的な生活条件を把握した。「無学校地区」において生活課題の一つとなっている日常の買い物に焦点を当てた。教育学の枠内に留まらず、地域福祉の観点を加えて継続的なフィールド調査を行った。 第二に、「無学校地区」に学びの拠点を創出する方策として、廃校活用の先進的な実践事例のフィールド調査を進めた。特に、地区住民が廃校を契機に地区外出身の人々と交流しながら、自らの人生や地域の価値を再発見するという学びの過程に着目した。そのほか、廃校活用に関するこれまでの研究が小中学校の事例に注目しがちであるなか、都道府県下の高校再編が進んできている現状に鑑み、廃止された高校の活用の傾向と特質について検討した。特に、高校の再編から再生への過程と立地市町村のガバナンスについて考察を行った。 第三に、「無学校地区」を相対化して捉えていくために、極小規模校の調査に着手した。児童生徒数がかなり減少しても、「無学校地区」にならず学校が存続しえている地域の条件を明らかにする研究である。全校児童数が1桁台となっている小学校を選定して、地域の教育的実践に関する研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って研究を進めている。対象とする事例に追加や変更が生じたが、新たな事例からの知見や発展的な研究課題への着想が得られるという波及効果もみられた。そのため、全体として順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、個別事例のフィールド調査を中心に実施して、ケース内分析を進めてきた。平成26年度からは、フィールド調査を継続しつつ、事例の件数を増やすとともに、ケース間分析の枠組みについて検討していく。
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