• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

多層膜集光ミラーを用いたX線自由電子レーザーのナノ集光

研究課題

研究課題/領域番号 13J00129
研究機関大阪大学

研究代表者

金 章雨  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードX線自由電子レーザー / X線集光 / 形状計測 / 波面計測 / 多層膜
研究実績の概要

X線自由電子レーザー (XFEL) は従来のX線の特性を超越した光であり,2011年に日本でその発振が確認され,周辺技術の開発と利用研究が盛んに行われている.しかし,XFELを用いた真に高度な応用研究を行うためには,XFELの極微小集光技術の確立が急務と言われている.XFELの極微小集光を実現するために,当該年度は主に測定が困難であるため今まで報告例のない①長くて急峻な表面形状を有するミラーをナノレベルで計測するため新しい形状計測装置の開発を行った.そして,集光実験に向けて②ミラー作製,ミラー調整システムの開発を行い,集光ビームの評価及び光学系全体の波面誤差が測定可能な③非破壊診断法の開発を行った.
① 形状計測システムの開発:XFELの極微小集光用ミラーは従来の集光ミラーより表面形状が急峻であり測定が難しく,要求精度も約1 nmで厳しくなっている.そのため,X線集光ミラーのための表面形状計測技術を確立する必要がある.従来の計測法では測定が困難であるため,従来とは異なる三次元測定法,及び二種類のプローブを組み合わせるなど高精度測定に適した新しい測定システムを開発した.装置の特性評価として測定再現性評価を行い,Peak-to-Valleyで2nm程度であることがわかった.この誤差に低周波成分がないことから,干渉計を組み合わせることでsub-nmの高い精度を実現することが可能でることを確かめた.
② ミラー作製,ミラー調整システムの開発:設計した光学系に合わせて,ミラーを作製し,その表面にPt/C多層膜コーティングを施した.そして,ミラーの調整システムを開発し,集光実験の準備を整えた.
③ 非破壊診断法の確立:設計したX線シアリング干渉計のパラメータに合わせて,回折格子及びスクリーン等の調整システムを構築し,高感度な非破壊診断法として立ち上げた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた研究実施計画を全て達成,かつ昨年度に新たに提案した研究課題(急峻な表面形状を有するミラーの高精度測定)についても大きな進展が得られた.特に表面形状計測装置の開発においては,計画以上のペースで測定装置の開発が進展した.

今後の研究の推進方策

本研究課題は研究計画通りに進んでいる.今後の推進方策としては,最初に予定していた通りに進めて行く予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Generation of 1020 Wcm-2 hard X-ray laser pulses with two-stage reflective focusing system2014

    • 著者名/発表者名
      H. Mimura, H. Yumoto, S. Matsuyama, T. Koyama, K. Tono, Y. Inubushi, T. Togashi, T. Sato, J. Kim, R. Fukui, Y. Sano, M. Yabashi, H. Ohashi, T. Ishikawa, K. Yamauchi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 5 ページ: 3539 (1~5)

    • DOI

      10.1038/ncomms4539

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] X線集光ミラー形状測定のための姿勢補正機構を有する三次元測定機の開発2015

    • 著者名/発表者名
      金 章雨
    • 学会等名
      2014年度精密工学会春季大会学術講演会
    • 発表場所
      東洋大学, 東京都
    • 年月日
      2015-03-17 – 2015-03-19
  • [学会発表] Sub-10 nm 集光用X線ミラーのための高精度形状計測装置の開発2015

    • 著者名/発表者名
      金 章雨
    • 学会等名
      第28回日本放射光学会年会放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス, 滋賀県
    • 年月日
      2015-01-10 – 2015-01-12
  • [学会発表] Development of high-precision figure measurement system for x-ray optics using laser focus microscope2014

    • 著者名/発表者名
      Jangwoo Kim
    • 学会等名
      SPIE Optics + Photonics 2014
    • 発表場所
      San Diego Convention Center, San Diego, California, United States
    • 年月日
      2014-08-17 – 2014-08-21
  • [備考] 大阪大学 山内研究室

    • URL

      http://www-up.prec.eng.osaka-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi