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2014 年度 実績報告書

マイクロ多孔体内蒸発メニスカス観察に基づく自律温度制御型ループヒートパイプの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13J00148
研究機関名古屋大学

研究代表者

西川原 理仁  名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードループヒートパイプ / 気液二相流 / ポアネットワークモデル / 毛細管力 / パーコレーション / 多孔体内流れ / 国際情報交換 / トゥールーズ
研究実績の概要

本研究では、自律的に高精度温度制御が可能なループヒートパイプ(LHP)の開発を目的とし、特にLHP蒸発器の相変化を伴う多孔体内気液熱流動の解明および蒸発器最適設計方法の構築などを目指してきた。今年度は昨年度の滞在研究(IMFT)で構築したポアネットワークモデルを用いたLHP蒸発器3次元解析を名古屋大学情報基盤センターの計算機で実行できる環境を構築した。多孔体材料(熱伝導率、空隙特性)、作動流体、蒸発器形状を変化させた数百パターンの計算を行い、LHP熱性能におけるウィック熱伝導率、気液界面形状、作動流体の物性、ウィック形状、マイクロギャップ(蒸発器ケースとウィックとの隙間)などの影響を解析的に明らかにした。特にウィック形状を変化させた解析により、蒸発器ケース-ウィック-グルーブの共有する三相界線長さという性能を支配する新たなパラメータを導くことができ、軸方向に周方向グルーブを加えた3次元形状を有するウィックを製作し、LHP実験により有効性を実証した。しかし、三相界線を長くするためグルーブをマイクロオーダーの幅まで細くしたところ、性能が低下し、3次元マイクログル-ブ形状に関しては今後の課題となった。
これまでの解析は仮想的な多孔体空隙配置を仮定したものであったが、実際の形状を用いた解析により高精度化を図るため、空間分解能0.27 μmを有するX線CTにより多孔体の内部構造の観察を行い、空隙構造の三次元再構築を行った。さらに多孔体構造解析を行い3次元空隙回路網を作成した。解析結果は、実際の多孔体ネットワークを用いた解析や粒子的手法を用いた直接解析などに利用可能であると考えられ、さらなる解析の高精度化が達成され得るものである。
最後に本研究をまとめた学位論文「マルチスケール気液二相熱流動解析に基づくループヒートパイプ熱輸送機構の解明と高性能化に関する研究」(名古屋大学)が受理された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Numerical study of thermal performance of a capillary evaporator in a loop heat pipe with liquid-saturated wick2014

    • 著者名/発表者名
      M. Nishikawara, H. Nagano, L. Mottet and M. Prat
    • 雑誌名

      Journal of Electronics Cooling and Thermal Control

      巻: 27 ページ: 118-127

    • DOI

      10.4236/jectc.2014.44013

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Parametric Experiments on a Miniature Loop Heat Pipe with PTFE Wicks2014

    • 著者名/発表者名
      M. Nishikawara and H. Nagano
    • 雑誌名

      International Journal of Thermal Sciences

      巻: 85 ページ: 29-39

    • DOI

      10.1016/j.ijthermalsci.2014.05.016

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ポアネットワークモデルを用いたループヒートパイプ蒸発器の気液熱流動挙動の解析(多孔体内気液分布と熱伝達特性)2015

    • 著者名/発表者名
      西川原理仁,長野方星,M.Prat
    • 学会等名
      第52回日本伝熱シンポジウム
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2015-06-03 – 2015-06-05
  • [学会発表] Thermo-Fluid Characterization in a Microscale Porous Structure for Two-Phase Heat Transfer Devices Using Capillary Action2014

    • 著者名/発表者名
      H. Nagano, M. Nishikawara, M. Mitomi and M. Kuroi
    • 学会等名
      The Twelfth International Conference on Nanochannels, Microchannels, and Minichannels
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      2014-08-03 – 2014-08-07
    • 招待講演
  • [学会発表] ポアネットワークモデルを用いたループヒートパイプ蒸発器3次元解析2014

    • 著者名/発表者名
      西川原理仁,長野方星,M.Prat
    • 学会等名
      第33回日本ヒートパイプ講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-07-05 – 2014-07-05
    • 招待講演
  • [学会発表] ポアネットワークモデルを用いたループヒートパイプ蒸発器の気液熱流動挙動の解析(高熱負荷時のモデル構築)2014

    • 著者名/発表者名
      西川原理仁,長野方星,M.Prat
    • 学会等名
      第51回日本伝熱シンポジウム
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2014-05-21 – 2014-05-23
  • [備考] 名古屋大学工学研究科情報誌PRESSe No. 34

    • URL

      http://www.engg.nagoya-u.ac.jp/research/press_e.html

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公開日: 2016-06-01  

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