研究課題/領域番号 |
13J00175
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
THOMSON Robert John 北海道大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 多国調査 / 文化比較研究 / ガーナ / 米国 / 日本 / トリニダッドトバゴ / フィリピン / インターネット心理学 |
研究概要 |
ア)SNSにおけるプライバシー懸念の日米比較交付甲請書の平成25年度の研究1-1に当たる研究だが、目的は、ソーシャルネットワークサイト(以下、SNS)といったオンライン環境におけるプライバシー設定の高低によって、SNS利用者の自己開示度の変化が文化間で異なるかを観察することにあった。結果として、日本の利用者の方は、自己開示をしたがらず、プライバシー懸念が高かったことがわかった。得た知見を元に、現在投稿論文を作成中である。 イ)SNS文脈多重性に関する多国調査平成25年度の研究1-2に当たる研究だが、SNSにおけるプライバシー懸念の文化差を予測する要因を探る多国調査(5か国)を実施した。調査の目的は2つあった。先行研究で示された文脈多重性の、自己開示やプライバシー懸念への影響を、文化間で比較することに目的があった(目的①)。また、多国にわたる調査を実施することに当たって、Facebook広告を使って参加者を募集することができるかを再検討することであった(目的②)。目的①に関しては、仮説をはっきり支持する結果が得られなかったが、尺度や調査手続きの調節が必要であることがわかり、今後再実施する方針である。目的②も同様に、金銭的なインシェンティブ(高額な抽選参加)という、外的インシェンティブが期待していたよりも効果がなく、今後は内的インシェンティブ(調査内容に基づいたフィードバックを参加者に即座に開示するなど)を提供する方針で進む予定である。 ウ)SNSにおける自己呈示データの二次分析SNSにおける自己呈示の文化差の予測要因を探るために、2012年12月に取ったデータの二次分析を行い、現在投稿論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のイ)の研究における目的①に関しては、仮説をはっきり支持する結果が得られなかったが、尺度や調査手続きの調節が必要であることがわかり、今後再実施する方針である。目的②も同様に、金銭的なインシェンティブ(高額な抽選参加)という、外的インシェンティブが期待していたよりも効果がなく、今後は内的インシェンティブ(調査内容に基づいたフィードバックを参加者に即座に開示するなど)を提供する方針で進む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の研究1-2の問題点を改善しながら、再度多国調査を実施する予定である。特に、多国におけてのネット上の参加者募集の工夫の開発が進んでおり、参加しやすくなる仕組みになると考えられる。文脈多重性を測定する尺度も改善しており、そのパイロットと本調査を実施する予定である。
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