27年度の研究は当初の予定よりペースが遅かったと思われる。その理由として特に史料収集が挙げられる。当研究で使用される一次史料はブラジルと日本をはじめ、アメリカ合衆国やバチカンにも保管されており、入手に予想以上の日数がかかったのである。また、言語の面でも史料は日本語、ポルトガル語、英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ラテン語の7ヶ国語で書かれており、史料を読み解く作業もそれなりに時間がかかったのである。そのため、27年度の間、特に史料収集に取り組むのが主な作業だったが、手に入れた史料のはまだ研究の対象にされたことのないものがほとんどで、斬新な研究アプローチができると思われる。 特に当研究の主なキーワードであるアカルチュレーション(文化変容)に関する史料がたくさん見つかり、今後その史料を読み解きながら研究を進めていく予定である。 27年度の間、ジャーナルへの投稿が間に合わなかったため、今年度中に手に入れてきた史料を基に2編の論文を執筆し、ジャーナルに投稿できる見込みである。
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