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2013 年度 実績報告書

球脊髄性筋萎縮症特異的iPS細胞を用いた病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J00237
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

下門 大祐  慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード疾患特異的iPS細胞 / 球脊髄性筋萎縮症(SBMA) / non-cell autonomous
研究概要

4名のSBMA患者および3名の健常者よりiPS細胞を各被験者20-40クローン程度取得した。さらに、遺伝子発現、奇形種形成能、運動ニューロンへの分化能を指標に、各被験者3クローンを選択した。
次に、2週間で、HB9, Isl-1およびchorine acetyltransferaseを発現する運動ニューロンを50%前後の効率で誘導する事が可能な培養系を構築した。また、HB9エンハンサーによって発現が制御されるVenusあるいはRFPを有するHB9レポーターを作成し、運動ニューロンを可視化した。
次に病態解析を行った。SBMA特異的iPS細胞および健常者由来iPS細胞より運動ニューロンを誘導した。これをdihydrotestosterone (DHT)存在下あるいは非存在下で特定の期間、培養した。SBMA患者由来運動ニューロンでは、DHT存在下において細胞死のマーカーである活性型caspase3が発現している細胞が相対的に多く観察された。また、SBMA患者由来運動ニューロンではDHT存在下においてARの核内局在が亢進していることがわかった。続いて、遺伝子の発現量を定量的PCRによって定量した。この結果、TGFβreceptor2 (TβR2)に関しては、健常者の群でDHT依存的に発現量が上昇しているにもかかわらず、SBMA患者の群ではDHTをくわえてもTβR2の発現量が上昇しなかった。これは、これまでの研究で示されて来たARの毒性獲得のみがSBMAの発症に寄与するのではなく、ARの機能不全もSBMAの発症機序に関与している可能性を示す物である。
上記に併せて、骨格筋分化誘導系を構築している。これまでに、様々な液性因子および低分子化合物を用いて検討を行い、GSK3β阻害剤を培地中に添加することで、沿軸中胚葉で発現する因子の発現量が増加することを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の予定では、25年度の段階で既知の病態に基づく疾患の再現性の確認を行い、26年度に前治療薬の探索を行うはずであったが、病態の再現が遂行されなかった。また、ヒト多能性幹細胞からの骨格筋誘導法の確立を終えることができなかった。

今後の研究の推進方策

iPS細胞由来運動ニューロンを用いた病態解析では、病態を一部しか再現することができなかった。iPS細胞由来の組織は胎児の組織と似て若いと一般的にいわれていることから、late-onsetの病態を再現するには、運動ニューロンの成熟度が十分でなかったと考えられる。したがって、今後はストレス存在下、あるいはプロテアソーム阻害剤存在下で病態解析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Pathophysiological Analysis of Spinal-Bulbar Muscular Atrophy with Induced Pluripotent Stem Cells2014

    • 著者名/発表者名
      下門大祐
    • 学会等名
      New Frontier of Molecular Neuropathology
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-03-16
  • [学会発表] Pathophysiological Analysis of Spinal-Bulbar Muscular Atrophy with Induced Pluripotent Stem Cells2014

    • 著者名/発表者名
      下門大祐
    • 学会等名
      The 7th Takeda Science Foundation Symposium on PharmaSciences
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-01-16

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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