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2015 年度 実績報告書

磁気異方性軸の制御を目指した新規ヘテロスピン系ナノ磁性体の構築研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J00247
研究機関九州大学

研究代表者

村島 健介  九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード分子磁性 / ヘテロスピン / ランタニド / 光応答性 / 三重項カルベン / ランタニド
研究実績の概要

我々は、有機スピンと3d遷移金属から構成されるヘテロスピン分子磁性体に関する構造と磁気的性質を研究してきた。ヘテロスピン三重項カルベン-コバルト錯体において、多核3d金属錯体を上回る磁気的性質を有する単分子磁石を構築してきた。このことは、有機のスピンが効果的に単分子磁石の量子トンネル効果を抑制するためであると考えている。今まで、単分子磁石構築の分子設計として重要視されたのは、1)磁気異方性の大きさと2)スピン量子数の大きさであったが、我々のヘテロスピン系の知見から、1)2)だけではなく、3)量子トンネル効果の抑制、4)磁気異方性の方向、があわせて重要となることを我々は提案している。今回、より高機能な単分子磁石、一次元鎖磁石などの量子磁石を構築するため、1)から4)の条件に合致する、「有機スピンを用いた2p-4fヘテロスピンランタニド一次元鎖錯体」を提案した。そのモデル化合物として、二核の三重項カルベン-Tb,  -Dyをそれぞれ合成し、磁気的性質を明らかとした。その結果、2p-4fヘテロスピン系に初めて強磁性的に相互作用するスピン系を見出し、温度に依存する遅い磁気緩和が観測されたことから目的とするヘテロスピン単分子磁石の構築が明らかとなった。また、得られた磁気パラメータから、比較的強い三重項カルベンとLnの磁気的相互作用が起因となった効果的な量子トンネル効果抑制が明らかとなった。そこで最終目的である、一次元鎖へ拡張するため、三重項カルベン、Tb, Dyを用いて、得られた錯体の構造と磁性を明らかとした。その結果、一次元鎖方向に三重項カルベンとLnが磁気的相互作用することが明らかとなり、世界で初めて一次元鎖内で有機スピンとLnが強磁性的に相互作用した錯体の例であった。前記二核錯体と比べて磁気パラメータが大きくなっていたことから、高機能の量子磁石が構築できたと考えている。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 3- and 4-(α-diazobenzyl)pyridine-N-oxides as photoresponsive magnetic couplers for 2p-4f heterospin systems: formation of carbene-TbIII and carbene-DyIII single-molecule magnets2016

    • 著者名/発表者名
      Kensuke. Murashima, Satoru Karasawa, Kenji Yoza, Yuji Inagaki and Noboru Koga
    • 雑誌名

      Dalton Trans2016, 45, 7067-7077

      巻: 45 ページ: 7067-7077

    • DOI

      10.1039/C6DT00420B

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Crystal structures and magnetic properties of photoresponsive 2p-4f heterospin complexes2015

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Murashima, Satoru karasawa, Noboru Koga
    • 学会等名
      2015PacifiChem
    • 発表場所
      Honolulu, Hawaii
    • 年月日
      2015-12-15 – 2015-12-20
  • [学会発表] ビスジアゾ化合物を用いた複核希土類錯体の構造と光照射前後の磁性2015

    • 著者名/発表者名
      村島健介・唐澤 悟・古賀 登
    • 学会等名
      第65回錯体科学討論会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      2015-09-21 – 2015-09-23

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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