研究課題/領域番号 |
13J00353
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中島 友紀 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | ニワトリ / 生殖巣生殖細胞(GGCs) / DNAマイクロアレイ / 生殖巣 / 雌分化抑制 |
研究概要 |
【課題1】ニワトリ生殖巣生殖細胞(GGC)特性の網羅的な解析 胚発生に伴うGGCの生物学的変化を明らかにするため、網羅的なGGCの分析を行つた。ニワトリ5、7および9日胚の生殖巣に存在する雌雄のGGCを用いてDNAマイクロアレイを行い、発生段階および性別ごとの遺伝子発現変動を比較検討した。 その結果、雌雄わよび発生段階で明確に異なる遺伝子発現パターンが認められ、特に雌の9日胚において多くの遺伝子の発現が低下することが明らかになった。このことから、雌において生殖細胞の分化が起こっている可能性が推察される。 【課題2】性分化抑制GGCの作製および分析 GGCを用いて異性間キメラを作製するためには、生殖巣の性分化による影響を受けないGGCの作製が必要である。雌ニワトリ3日胚に芳香化酵素阻害剤(ファドロゾール)を投与することにより、性分化抑制GGCを作製するため、まず、アロマターゼ阻害剤添加条件を検討した。 検討条件 : 1)ファドロゾール投与量(0.02~05mg)、2)ファドロゾール添加方法(全卵投与法、血管注入法)、3)1)および2)に対する生殖巣の形態的変化および生殖巣に存在するGGC数(ファドロゾール添加後6日および12日後の結果をそれぞれ比較) まず、ファドロゾールの添加量が増加するのに伴い、生殖巣の形態的な雌分化抑制およびが認められる比率が増加した。また、生殖巣に存在するGGC数においても、ファドロゾール添加量が増加するのに伴い増加する傾向が認められた。さらに、ファドロゾールの投与方法を比較すると、同じ投与量に対する雌分化抑制効果は血管注入法がより高い効果を示すことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニワトリ生殖巣生殖細胞(GGC)特性の網羅的な解析の達成に向け、DNAマイクロアレイに取り組んだ結果、発生段階特異的な遺伝子発現変動が存在することを明らかにしたため。また、性分化抑制GGCsの作製に向け、雌分化抑制胚作製の条件を設定することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
様々な発生段階における雌雄のGGCから抽出したRNAお用いてDNAマイクロアレイを行った結果、発現変動が認められた遺伝子のバリデーションおよび機能解析を行う予定である。 また、ファドロゾール添加により作製された雌分化拗制胚におけるGGCsの発現遺伝子解析を行うことにより、雌分化抑制胚におけるGGCsの分子生物学的な特性評価を行う予定である。 さらに、GGCを用いた鳥類遺伝資源の長期保存・再生システムの構築に向け、in vivoにおける移植されたGGCsの移住・増殖・分化能を解析する必要があると考えられる。
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