研究課題/領域番号 |
13J00357
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉澤 恵子 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 疎水化ゼラチン / 接着 / 血管新生 / 気孔率 / 鎖長 / 湿潤組織 / 多孔膜 |
研究実績の概要 |
本研究は、湿潤組織に強く接着し組織再生用足場となる膜状接着剤を創製することを目的としている。25年度までに各鎖長の疎水基をブタアルカリ処理ゼラチンAlGltn(HxAlGltn)に導入し比較すると、Hexanoyl基(Hx : C_6)を導入したHxAlGltnの膜が湿潤組織接着性、生分解性に優れ、血管新生能を有することを報告した。26年度は、HxAlGltn多孔膜((P)HxAlGltn)の気孔率や気孔径、または均一孔径多孔膜の疎水基鎖長が接着強度・生分解性・血管新生性等に及ぼす影響に関し検討を進めた。NaCl粒子の粒径や、NaClとHxAlGltn溶液との混合比により気孔率や気孔径を制御し多孔膜を調製した。 (P)HxAlGltnは高気孔率ほど湿潤組織接着性、生分解性、血管新生性が優れ、HxAlGltn分子と血管新生因子との高い親和性が血管新生に影響を及ぼすことが明らかとなった。また、各気孔径の多孔膜について検討すると、粒径77umのNaClを用いて調製した(P)HxAlGltnが最も湿潤組織接着、吸水速度、生分解性、血管新生に優れ、in vivoにおいて孔内への浸潤細胞数やペルオキシダーゼ陽性細胞数が最多であった。一方で初期血管新生は粒径43umのHxAlGltnが優位であったため、Hx基導入と共に孔径依存的な吸水性も湿潤組織接着性に強く影響し、浸潤細胞数や早期炎症の程度が血管新生に関係することが示された。疎水基鎖長の影響に関しては、長鎖長(C_<18>)の場合と比較して短鎖長(C_3からC_<10>)のhm-AlGltn多孔膜は湿潤組織接着性や生分解性が優れた。鎖長C_3の場合は孔内のペルオキシダーゼ陽性細胞数は多かったが、初期血管新生はC_6の(P)HxAlGltnが優位だった。多孔構造においても疎水基鎖長が接着強度に影響を及ぼし、鎖長依存性の炎症程度の初期血管新生影響が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
本研究は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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