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2014 年度 実績報告書

メゾスコピック非線形動力学に注目した生命動態の同定,予測,制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J00374
研究機関筑波大学

研究代表者

内山 祐介  筑波大学, システム情報系, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード位相欠陥 / 大偏差統計 / 長期記憶 / 異常拡散 / 確率過程
研究実績の概要

生命現象のリスク因子を抽出するに際して,乱れた波動場に生じる位相特異点の振舞いが一つの重要な指標となり得ることが知られている.例えば,心臓病患者が不整脈の状態にあるときには,心臓表面の電場中で位相特異点が生成と死滅を繰り返しており,また,てんかん患者の脳の表面の電場においても同様の現象が観測されている.こうした乱れた波動場における位相特異点の振舞いを定量化することを目的に,今年度も引き続き,散逸媒質の非線形波動方程式の標準形である複素Ginzburg-Landau方程式を対象とした研究を実施した.昨年度も使用した欠陥乱流中で局在波を同定する方法を用いることで,欠陥,ホール,振幅変調波を検出した.この中でも特に,生体内において広く観測されている位相欠陥と関連すると思われるホールの性質を明らかにした.欠陥乱流中を運動する個々のホールは,それぞれが時間的に変動する速度のもとで粒子のように運動していることがわかった.これは,欠陥乱流中で生成・死滅を繰り返す局在波同士の運動量交換によるものだと考えられる.こうしたホールの速度の時間変動に注目し,これを確率過程としてモデル化することを試みた.個々のホールを判別せずに周期境界条件下でのホールの速度を一つの時系列とみなすと確率密度関数は大偏差統計に従い,自己相関関数は遅い運動に対応するべき減衰と早い運動に対応する指数減衰で特徴づけられることがわかった.また拡散挙動は超拡散を示すことがわかった.これらのすべての統計則を再現する確率過程として,記憶関数で特徴づけられる非定常一般化Cauchy過程を提案した.このモデルから得られたすべての統計則を解析的に導出可能であることを示した.これらの統計則を実際の生体データから観測し,同様の解析を行うことで疾病に関連したリスク因子を定量化できると考えられる.

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Anomalous velocity fluctuation in one-dimensional defect turbulence2015

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Uchiyama, Takanori Kadoya and Hidetoshi Konno
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 91 ページ: 022127

    • DOI

      10.1103/PhysRevE.91

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 散逸場の特異点ダイナミクスにおける長期記憶効果2015

    • 著者名/発表者名
      内山祐介,角屋貴則,金野秀敏
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 333 ページ: 73-78

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 心筋膜の心室細動状態を模擬する特異点の生成消滅過程とその物理機構2015

    • 著者名/発表者名
      金野秀敏,内山祐介,鈴木章夫
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 333 ページ: 79-87

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 一般化ハイパーガンマ過程を用いた逆温度分布の統一的定量化2015

    • 著者名/発表者名
      角屋貴則,内山祐介,金野秀敏
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 333 ページ: 47-52

  • [雑誌論文] 記憶のあるブラウン運動における記憶関数の同定と逆問題2015

    • 著者名/発表者名
      金野秀敏,内山祐介
    • 雑誌名

      統計数理研究所共同研究リポート

      巻: 331 ページ: 31-39

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 記憶のあるブラウン運動における記憶関数の同定と逆問題2014

    • 著者名/発表者名
      金野秀敏,内山祐介
    • 学会等名
      統計数理研究所共同研究集会「非侵食生体信号の解析・モデル化技術とその周辺II」
    • 発表場所
      統計数理研究所(東京)
    • 年月日
      2014-12-05 – 2014-12-06
  • [学会発表] 散逸場における非線形波動の異常拡散現象2014

    • 著者名/発表者名
      内山祐介,角屋貴則,金野秀敏
    • 学会等名
      RIMS研究集会「非線形波動現象のメカニズムと数理」
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所(京都)
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-17
  • [学会発表] 散逸場の特異点ダイナミクスにおける長期記憶効果2014

    • 著者名/発表者名
      内山祐介,角屋貴則,金野秀敏
    • 学会等名
      統計数理研究所共同研究集会「ダイナミカルバイオインフォマティクスの展開III」
    • 発表場所
      統計数理研究所(東京)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-19
  • [学会発表] 心筋膜の心室細動状態を模擬する特異点の生成消滅過程とその物理機構2014

    • 著者名/発表者名
      金野秀敏,内山祐介,鈴木章夫
    • 学会等名
      統計数理研究所共同研究集会「ダイナミカルバイオインフォマティクスの展開III」
    • 発表場所
      統計数理研究所(東京)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-19
  • [学会発表] 一般化ハイパーガンマ過程を用いた逆温度分布の統一的定量化2014

    • 著者名/発表者名
      角屋貴則,内山祐介,金野秀敏
    • 学会等名
      統計数理研究所共同研究集会「ダイナミカルバイオインフォマティクスの展開III」
    • 発表場所
      統計数理研究所(東京)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-19

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公開日: 2016-06-01  

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