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2014 年度 実績報告書

銅イオン吸着酸化亜鉛光触媒によるCO光PROX反応

研究課題

研究課題/領域番号 13J00489
研究機関千葉大学

研究代表者

吉田 祐介  千葉大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード有機無機複合体 / 選択酸化 / 赤外分光 / X線分光 / モデル触媒
研究実績の概要

Ti8O8(OH)4クラスターから成る有機金属構造体(MIL125, Ti8O8(OH)4・bdc6 [bdc = terephthalate])をTiO2担体のモデルとして利用するために含浸法で調製したCuO担持MIL125は、CO選択酸化(PROX)触媒に高活性であったがCuO担持に伴う結晶構造変化のため触媒のモデル構造が不明瞭であった。
X線回折(XRD)及びフーリエ変換赤外分光法(FTIR)解析から、元のMIL125がもつTi8O8(OH)4・bdc2の層構造を維持したまま、その層をつないでいる残りのbdc4がCu種に置き換わった、無機リンカーを含む新規有機金属構造体が形成されていることが推定された。さらにX線吸収微細構造(XAFS)解析により、Cu種は2つのCu(OH)4平面四角形が折れ曲がってつながったCu2(OH)6だと示唆され、最終的な構造は{Ti8O8(OH)4・bdc2・[Cu2(OH)6]4}だと分かった。ここで形成されたTi8O8(OH)4-Cu2(OH)6の界面がPROX活性サイトと示すことに成功した。
また、固相還元法によりMIL125の構造を維持したままCuO担持MIL125を調製する方法を開発した。XRD, XAFS, 透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、得られた触媒は、1.7 nmのCuOナノ粒子がMIL125中に分散された構造であることが分かった。MIL125の細孔径は1.3 nmであるため1.7 nmのCuO粒子は局所的にMIL125の構造を歪めることで導入されていることが考えられた。この触媒のPROX活性は含浸調製のものと比較して3%の活性しか示さなかった。このことからも、含浸調製で得られたCuO/MIL125で選択的に得ることのできるTi8O8(OH)4-Cu2(OH)6界面の形成がPROX活性に重要であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

課題であった高活性なCuO/MIL125の構造を決定し、CO PROX反応の活性サイトのモデル化に成功している。また、低活性ではあったがMIL125の構造を維持したCuO/MIL125の合成にも成功し、論文を投稿中である。

今後の研究の推進方策

調製した新規構造を持ったCuO/MIL125には不純物相が混じっていたため、この触媒をモデル物質として普及させるためには、調製条件を制御し、より高純度なCuO/MIL125を調製する必要がある。また、現在、Cu種のみこの新規有機金属複合体の合成に成功しているが、他の金属種でも同様な構造が得られないかを調べる必要がある。
また、目標としている光触媒として高活性な担持MIL125の合成には成功していない。CuO/MIL125も光触媒としては不活性であり、光触媒として適切な金属種との組み合わせを探求する必要がある

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Photofuel cell comprising titanium oxide and bismuth oxychloride (BiO1-xCl1-y) photocatalysts for use of acidic water as a fuel2015

    • 著者名/発表者名
      Y. Fujishima, S. Okamoto, M. Yoshiba, T. Itoi, S. Kawamura, Y. Yoshida, Y. Ogura, Y. Izumi
    • 雑誌名

      Journal of Materials Chemistry A

      巻: 3 ページ: 8389-8404

    • DOI

      10.1039/C4TA06824F

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Photoconversion of carbon dioxide in zinc-copper-gallium layered double hydroxides: The kinetics to hydrogen carbonate and further to CO/methanol2014

    • 著者名/発表者名
      Motoharu Morikawa, Naveed Ahmed, Yusuke Yoshida, and Yasuo Izumi
    • 雑誌名

      Applied Catalysis B

      巻: 144 ページ: 561-569

    • DOI

      10.1016/j.apcatb.2013.07.065

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A photofuel cell comprising titanium oxide and silver(I/0) photocatalysts for use of water as a fuel2014

    • 著者名/発表者名
      Yuta Ogura, Seiji Okamoto, Takaomi Itoi, Yukiko Fujishima, Yusuke Yoshida, and Yasuo Izumi
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 50 ページ: 3067-3070

    • DOI

      10.1039/C4CC00194J

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Ti8O8(OH)4クラスター架橋MOFを用いたCuO担持酸化チタンのCO-PROX反応活性サイトのモデル化と担体効果の考察2015

    • 著者名/発表者名
      吉田祐介、泉康雄
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-26
  • [学会発表] Cuイオン吸着酸化亜鉛光触媒によるCO光PROX反応での酸化・還元サイトの特定と反応機構2015

    • 著者名/発表者名
      吉田祐介、泉康雄
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-26
  • [備考] 表面化学研究室ホームページ

    • URL

      http://cat.chem.chiba-u.jp/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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