研究課題/領域番号 |
13J00724
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福田 純也 名古屋大学, 国際開発研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 言語形式への注意 / 言語習得におけある注意と意識の役割 / 文法習得 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,明示的,暗示的文法知識がどのように学習者の文法への注意と関連しており,その関連性は各文法項目によってどのような差異を持つかを明らかにすることである。前年度は,学習者が言語処理中に注意を向けやすい,もしくは逆に向けにくいのはどういった部分であるかを,語彙・統語・音韻的側面から検討し,今年度はまずその前年度の研究結果の公開をおこなった。 前年度の研究の続きとして,学習者が口頭産出タスクを繰り返す中でどのように言語形式への注意をシフトさせるかという研究と,さまざまな認知的負荷が加えられた条件下でどのように注意の方向性が変わるかについて調査した結果を公開した。前者は国際誌に掲載され,後者は国際学会発表をした後に論文として執筆し,現在査読中である。 また,注意の方向性に関する研究に加え,次の研究課題である,個々の文法項目の習得状況を調査した。具体的には,与格交替(dative alternation)と付加的曖昧性(attachment ambiguity)を対象にし,学習者がそれらを含む文章を読解する際に暗示的知識を用いた統語的な処理を行っているか否かを調査した。理論的枠組みとしてFerreiraの”Good enough approach”を援用し,統語的プライミングによる心理実験を行った。その結果,学習者はこれらの文法項目に関しては,暗示的知識を用いた統語的な処理を,ある条件下においては英語ネイティブスピーカーより用いていることが示唆された。与格交替に関する研究結果は国内の学術誌に掲載が決定しており,付加的曖昧性は現在論文として執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実験の着想・実施は前年度に計画したとおりに進んだ。その全ての実験結果を年度内に国内外で発表し,さらにいくつかの研究は学会誌掲載まで進んだ。これらのプロセスを一年という短期間で遂行することができたという点で,計画以上の進展があったといえるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は引き続きさまざまな文法項目の習得状況を理論的に予測し,実験により結果を記述する。当初の予定通り,最終年度としてこれまでの実験結果を統合し,言語習得における注意の役割と,その結果習得される知識の関連性について更に精緻な理論化を試みる予定である。
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