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2014 年度 実績報告書

免疫誘導バランスを自在に制御可能なナノ粒子アジュバントの創製と材料設計

研究課題

研究課題/領域番号 13J00745
研究機関大阪大学

研究代表者

島 史明  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードワクチン / ドラッグデリバリーシステム / ナノ粒子 / ポリ(γ-グルタミン酸) / アジュバント / 免疫誘導制御
研究実績の概要

現在、ワクチンと共に用いられている免疫増強剤は効果が十分でなく、さらに重篤な副作用をもたらすリスクを有する。さらに、感染症やがんの予防または治療を実現するためには、目的に応じて誘導される免疫の種類 (液性免疫や細胞性免疫) やその度合いを精密に制御する必要がある。しかし、これらを実現可能な免疫増強剤はこれまでに報告されていない。高い安全性を有し、免疫誘導バランスを自在に制御できる免疫増強剤の開発において、抗原と免疫増強剤の細胞内及び体内動態の制御が必須である。これを実現するために、高分子からなるナノ粒子 (NPs) に抗原を担持させて免疫担当細胞へ選択的に送達するドラッグデリバリーシステム (DDS) を応用する研究が盛んに行われている。中でもNPsの親-疎水バランスや組成を制御することで細胞との相互作用を制御でき、その結果免疫誘導の制御ができると期待されている。特に、樹状細胞などの免疫担当細胞は抗原等の疎水性部位を認識することで活性化されることが分かっている。そこで、疎水化ポリ(γ-グルタミン酸) (γ-PGA) NPsの疎水性を制御することで免疫の誘導が制御できるのではないかと考えた。γ-PGAに対する疎水基の種類(アミノ酸エチルエステルの種類)を変えたポリマーから粒径が200 nmの抗原内包NPsを調製し、免疫誘導効果を検討した。その結果、抗原を内包した疎水化γ-PGA NPsは抗原のみに比べて高い免疫を誘導でき、また、疎水基の種類で誘導される免疫の種類やその度合いが変わることが明らかとなった。さらに、樹状細胞による取り込みや活性化能が疎水基の種類で変わる知見が得られた。これらより、NPsの疎水性(疎水基の種類)を制御することでキャリアと細胞との相互作用を制御でき、それにより誘導される免疫の種類や度合いを自在に制御できることを本研究で初めて明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Synthesis and preparation of nanoparticles composed of amphiphilic poly(γ-glutamic acid) with different hydrophobic side chains and their potential of membrane disruptive activity2014

    • 著者名/発表者名
      Fumiaki Shima, Takami Akagi, Mitsuru Akashi
    • 雑誌名

      Colloid Polymer Science

      巻: 292 ページ: 2663-2671

    • DOI

      10.1007/s00396-014-3303-z

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The hydrophobic effect of nanoparticles composed of amphiphilic poly(γ-glutamic acid) on the degradability of the encapsulated proteins2014

    • 著者名/発表者名
      Fumiaki Shima, Takami Akagi, Mitsuru Akashi
    • 雑誌名

      Biomaterials Science

      巻: 2 ページ: 1419-1425

    • DOI

      10.1039/c4bm00140k

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 両親媒性ポリ(γ-グルタミン酸) ナノ粒子アジュバントの疎水性の違いによる免疫応答制御2015

    • 著者名/発表者名
      島 史明、赤木隆美、明石 満
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会(2015)
    • 発表場所
      日本大学理工学部 船橋キャンパス/薬学部
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] 両親媒性ポリ(γ-グルタミン酸) ナノ粒子を構成する疎水基の種類による免疫誘導制御2014

    • 著者名/発表者名
      島 史明、赤木隆美、明石 満
    • 学会等名
      第36回日本バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2014-11-17 – 2014-11-18
  • [学会発表] 両親媒性ポリ(γ-グルタミン酸) ナノ粒子の疎水性とアジュバント機能2014

    • 著者名/発表者名
      島 史明、赤木隆美、明石 満
    • 学会等名
      第63回高分子討論会
    • 発表場所
      長崎大学文教キャンパス
    • 年月日
      2014-09-24 – 2014-09-26
  • [学会発表] ポリアミノ酸ナノ粒子アジュバントによる免疫誘導制御に及ぼす要因2014

    • 著者名/発表者名
      島 史明、赤木隆美、宇都倫史、明石 満
    • 学会等名
      第43回医用高分子シンポジウム
    • 発表場所
      産業技術総合研究所 臨海副都心センター 別館11階会議室
    • 年月日
      2014-07-28 – 2014-07-29
  • [学会発表] 種々の異なる疎水基を有する両親媒性ポリ(γ-グルタミン酸) ナノ粒子の調製とワクチンアジュバントへの応用2014

    • 著者名/発表者名
      島 史明、赤木隆美、明石 満
    • 学会等名
      第63回高分子年次大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2014-05-28 – 2014-05-30

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公開日: 2016-06-01  

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