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2013 年度 実績報告書

河川微生物膜の三次元構造と群集組成が有機物分解機能に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 13J00795
研究機関京都大学

研究代表者

村上 綾  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードバクテリア / FISH-CLSM / 三次元格子モデル
研究概要

本研究では河川という確率論的に変動する環境下の微生物群集において、膜の三次元構造とそれを織りなす種組成が、膜全体の有機物分解能に与える影響を明らかにするため、河川微生物膜の持つ有機物分解機能の種類と活性は、膜内の種組成だけでなく、それぞれの種がどのような配置で生息しているかにも左右されるという仮説を立て、次の作業仮説に基づいて研究を進めている。
1 : 微生物膜の三次元構造を作り出すうえで、縦横(xy)面と深さ(z軸)の決定要因が異なる。
2 : 流入する陸域資源を有効活用するために最適な種組成と三次元構造の組み合わせがある。当該年度は、実験1、2の実施と解析、結果の取りまとめと河川での野外培養実験の学会発表を行った。
実験1 : 種組成と三次元構造の決定要因をフローセルで無添加の河川水を培養し、ガラス微小電極を用いて膜内環境要因を最小100μm単位で測定し、16SrRNA遺伝子を対象にFISHを行いCLSMでそれを視覚化することで種組成とその分布を分析することで特定し、作業仮説1を検証することを目的に行った。
実験2 : 種組成と三次元構造の組み合わせをモデル構築によりパターン化するために、環境要因(溶存有機物や酸素の濃度勾配)とそれら環境要因への依存度が異なる種間の相互作用という2つの観点から三次元格子状の河川微生物膜モデルを構築した。作業仮説1を検証するために更なる調整は必要であるが、モデルはほぼ完成している。
CLSMを用いたFISHや酵素活性解析は必要な設備が全て整っているシンガポールのSCELSEにて行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

10の実験1において、河川水培養で構築した微生物膜へFISHを行う上での技術的な問題が浮上し、さらにFISHに用いられるプローブの種類で測定出来る種組成レベルが粗いことから、微小電極を用いた膜内環境と三次元構造で見た種組成を関連付けることが出来なかった。そこで、詳細な種組成を把握するため次世代シーケンサーを用いて培養微生物膜の種組成を解析し、得られた種組成の情報から種の持つ特性に応じてその中の数種類に着目する方法を取る。

今後の研究の推進方策

11に記した変更点を除き、次年度は交付申請書にある通り、以下の実験を進めていく。
実験3 : 作業仮説2を検証するため、膜外環境の変化(異なる濃度の落葉抽出液添加)が、微生物膜の三次元構造と種組成の変化を通して、有機物分解機能(酵素活性)に与える影響を調べ、酵素活性の分析により有機物分解機能を最適化する組み合わせパターンを特定する。
実験4 : 野外における培養実験により、野外での種組成と三次元構造の決定要因を特定し、組み合わせパターンの最適度をはかる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Different land use patterns affect responses of river epilithic biofilms : A case study in Yasu River watershed, Shiaa, Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Aya Murakami
    • 学会等名
      1^<st> EMBO Conference on Aquatic Microbial Ecoloav : SAME13
    • 発表場所
      Stresa, Italy
    • 年月日
      20130908-13

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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