本研究課題は、大学異動により2014年度9月末日で終了したため、半年間の実績報告をする。螺旋周期構造を有するコレステリック液晶を用いた反射型ディスプレイの実現に向けて、高速スイッチング特性と省電力性を併せ持つ素子構造の探求を行った。これまで、液晶をポリマー中の数十nmという小さな空間に閉じ込めることで高速性が発現することを示してきた。しかしながら、この場合、駆動電圧が増加するという新しい問題が生じた。そこで、ポリマー中に埋め込まれた液晶液滴の領域サイズを変えないまま、液晶液滴の数を増加させるというアイディアを考えた。この構造を利用することで、高速性を維持したまま駆動電圧を1/5に低減することに成功した。これらの成果は論文投稿を予定している。 また、次の段階として視野角特性の改善を目的とした研究を行うことを考えている。具体的には、コレステリック液晶の螺旋軸に平行な電界を印加することにより、螺旋構造の波打ちを起こすことで、それぞれの視野角に対しての反射色を平均化することを目指す。 本研究課題は、大学異動にともない途中辞退することになったが、コレステリック液晶を用いた反射型ディスプレイの研究は引き続き継続して行う予定である。
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