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2014 年度 実績報告書

絶滅危惧種シマフクロウ集団の変遷史の解明および保全遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J01622
研究機関北海道大学

研究代表者

表 渓太  北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードシマフクロウ / 国際情報交換(ロシア) / 遺伝的多様性 / 保全遺伝学
研究実績の概要

北海道のシマフクロウ集団では遺伝的多様性の低下や地域集団の分化が生じていることが、これまでの研究で示唆されてきた。現在の北海道シマフクロウの集団構造形成の歴史的な経緯の解明のために、個体数減少以前の古い剥製サンプルを含めて、マイクロサテライトおよびミトコンドリアDNA配列の分析を行った。その結果、集団の有効集団サイズが1980年前後に非常に小さくなったこと、それ以前には地域間の交流が存在していたが、その後生息地の断片化によって地域集団の孤立が生じたことが示された。さらに、過去30年間の400個体以上を対象とした解析により地域ごとの遺伝的多様性の変化や近親交配の程度をより詳細に推定した結果、近親交配が特に多い地域や一部の個体の移動が明らかになった。これらの結果をまとめた論文はZoological lettersに掲載決定となった。今年度はロシア産のサンプルも加えて分析を行い、系統関係や遺伝的多様性の比較を行った。
遺伝的多様性の減少は感染症等への抵抗力の低下をもたらす恐れがある。そこで、当初の計画に加えて、免疫反応に関わる主要組織結合遺伝子複合体(MHC)の多様性についても研究を行った。定量PCR法を応用した分析の結果、シマフクロウのMHCの遺伝子座数は、一般的な鳥類や他のフクロウ類に比べて多いことが明らかになった。また染色体マッピングの結果、MHC遺伝子は単一の微小染色体上に位置することが明らかになった。これは、MHC遺伝子群は1つの染色体上の小さな領域内で重複していることを意味する。シマフクロウではMHCクラスⅡの遺伝子座数は多いが、対立遺伝子の種類は少ないことが示され、シマフクロウの保全のためには免疫力の低下についても注意が必要であることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Recent fragmentation of the endangered Blakiston’s fish owl (Bubo blakistoni) population on Hokkaido Island, northern Japan, revealed by mitochondrial DNA and microsatellite analyses2015

    • 著者名/発表者名
      Keita Omote, Chizuko Nishida, Takeshi Takenaka, Keisuke Saito, Ryohji Shimura, Satoshi Fujimoto, Takao Sato, and Ryuichi Masuda
    • 雑誌名

      Zoological Letters

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Spatial and temporal variation at major histocompatibility complex class IIB genes in the endangered Blakiston’s fish owl2015

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Kohyama, Keita Omote, Chizuko Nishida, Takeshi Takenaka, Keisuke Saito, Satoshi Fujimoto, Ryuichi Masuda
    • 雑誌名

      Zoological Letters

      巻: 1 ページ: 13

    • DOI

      10.1186/s40851-015-0013-4

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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