初年度は予定として、1)アズキゾウムシの生活史形質・繁殖形質の測定とWolbachia除去系統、単感染系統を作出する。また、3世代毎のパラメーター形質の測定し、どのような形質変化が起こるのか測定する。2)ヨツモンマメゾウムシへのWolbachiaaインジェクジョンによるWolbachia感染系統を作出する。 また、3世代毎のパラメーター形質の測定し、どのような形質変化が起こるのか測定する。という2点のことを行う予定だった。しかしながら、実験技術の習得のために4ヶ月海外に渡航したことによって、日本での実験が遅れてしまった。上記の実験のうち、1)に関しては、アズキゾウムシの生活史形質、繁殖形質のデータをとり終わり、現在データの解析を行い、論文化を進めている。しかし、2)のヨツモンマメゾウムシに関しては、実験設定を煮詰め、実験環境を整えている段階である。今度、実験に関して優れた技術をもつ共同研究者を招いて、テクニックを学び、遅れを取り戻す予定である。現在、マメゾウムシ類と共生細菌Wolbachiaとの関係を調ぺているが、本計画ではマメゾウムシ種の一種としてさらにアカイロマメゾウムシCallosobruchus analisを用い研究も進めようと考えている。この種の多くの系統が受け入れ先の研究室にて飼育されており、Wolbachiaの感染状態が多様に存在するため、研究対象として加えることは本研究にとても有効である。現在実験個体を増やし、実験準備を進めている。 初年度は、現在の受け入れ教官と前から進めていた共同研究が論文として国際誌に掲載された(7. 研究内容(1)-①参照)。この論文は、次年度行う予定の研究の足がかりとして非常に重要である。この論文の内容は、個体群生態学会のホームページにて、紹介文を書かせていただいた(7. 研究内容(4)-①参照)。また、これまで共同研究として行っていた研究成果が論文も掲載された(7. 研究内容(1)-②③参照)。現在も共著論文が複数投稿中であり、自身が第一著者の論文も1つ投稿中である。今後も自身の研究に支障がでない程度に共同研究も進めていきたいと考えている。
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