研究課題
本年度は、前年度有効性を検討したCRISPR/Casシステムを用いて、(1) メダカにおける標的遺伝子組み換えを高効率に行う実験系の構築を試みた。既にactb遺伝子などいくつかの遺伝子座においてGFPを含むDNA断片の標的導入・発現に成功しており、本研究で開発を進めているベクターシステムの有効性が示されつつある。また、作出した変異体の表現型を迅速かつ簡便に評価するための実験系の1つとして (2) 行動テストバッテリーによるメダカ変異体の行動表現型解析系の開発を行なった。抗うつ剤フルオキセチンを投与した個体、及びトリプトファン水酸化酵素を欠損した変異個体において、不安/情動、社会性に関わるとされるいくつかの行動テストにおいて、有意な変化を検出することに成功した。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究課題であった、メダカで高効率に動くヌクレアーゼシステムの開発に成功した。また最終目的である標的遺伝子組み換えにも着手することができている。
最終目的であるメダカにおける標的遺伝子組み換えには成功しているが、その効率は低く、実用レベルを考えるとさらなる改良が必要とされている。当初計画の中で提案した、DNA修復経路の改変やベクターシステムの改良といった点の条件検討が十分とは言えないことから、今後検討を進める必要がある。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)
PLoS Genetics
巻: 11 ページ: e1005009
10.1371/journal.pgen.1005009
巻: 11 ページ: e1005065
10.1371/journal.pgen.1005065
Biology Open
巻: 3 ページ: 362-371
10.1242/bio.20148177