研究課題
惑星は生まれたばかりの恒星である原始星の周囲を取り囲む原始惑星系円盤の中で形成されると考えられている。その中で起こる固体微粒子の集積過程、円盤の力学的進化などは惑星形成過程を理解する上で非常に重要である。生まれたての恒星である原始星は、原始星へ物質が降り積もることで重力エネルギーを解放して光っている。短時間のうちに明るさが急激に増える原始星もあり、この現象の起源として2つの有力な説がある。一つは円盤の外側の方で重力不安定により分裂したガスの塊が中心星に落ちるというものである。もう一つは円盤内部で磁気回転不安定が活性・不活性を繰り返すことで質量降着率の増減をつくるというものである。この二つの説は相反するものではないため、ガス塊が落ちてくるなかで磁気流体不安定がどうなるかを調べた。その結果、重力不安定と時期流体不安定の2つの現象が互いに関連し合って増光現象と結びついている可能性を提案した。現在の固体惑星形成の標準モデルでは、原始惑星系円盤の中で運動する固体微粒子が衝突を繰り返して固体惑星へと成長すると考えられている。この固体粒子が衝突する際に、粒子が自転角運動量を持つ可能性がある。その場合には、固体粒子に揚力が働くため、運動が変化すると考えられる。そこで、我々は円盤中の固体微粒子に働く揚力の効果を調べた。まず、固体粒子に角運動量が供給され続けるかどうかを見積もり、大きくな粒子は回転は持続し、揚力が働きうるという結果を得た。粒子にどの程度の揚力が働くかを、運動方程式を解くことで調べた。その結果、原始惑星系円盤の特性によっては揚力が無視できない場合が存在する可能性がある。中心天体周りの回転円盤の物理は原始惑星系円盤だけでなく、ブラックホールへの降着流でも見られる。高温降着流中での非熱的粒子の力学構造への影響やニュートリノ放射についても研究も行った。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Publication of Astronomical Society of Japan
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http://www.astr.tohoku.ac.jp/~shigeo/research_jp.html