研究課題/領域番号 |
13J01856
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
則竹 史哉 岡山大学, 環境生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 珪酸塩融体 / 分子動力学法 / 高温高圧 / 界面 / 珪酸塩鉱物 |
研究概要 |
1. 高圧力下における珪酸塩液体の構造と物性 珪酸塩液体は高圧力下において特異な振る舞いをすることが知られている。私は分子動力学法を用いてその構造変化と物性の関係を研究した。その結果をGoldschmidt2013で発表し、また現在論文投稿の準備を行っている。 2. 珪酸塩液体-珪酸塩結晶界面 部分溶融岩石、特に溶融度が小さい場合において珪酸塩液体―珪酸塩結晶界面がバルク岩石の物性に与える影響は大きいと考えられる。私は、分子動力学法を用いてForsterite-MgSiO_3液体界面の研究を行った。その結果、界面近傍の特異な構造と、その構造に起因する界面近傍の物性の異常があることを発見した。その結果は優秀論文として地球惑星連合大会の推薦をうけ、オープンアクセスジャーナルProgress in the Earth and Planetary Scienceに投稿し査読を受けている。 3. 珪酸塩鉱物の高圧力下における弾性異常 京都大学の松影香子らと共同で放射光施設Spring-8におけるその場観察実験、および分子動力学法を用いてAnorthiteの高淵. 高圧力下における弾性的性質の研究を行った。その結果、Anorthiteの弾性的性質はBirchの法則が成り立たず、温度圧力に対して特異な挙動を見せることを発見した。放射光を用いた高温高圧その場実験の結果はJoumal of Geophysical Researchに投稿され、現在査読を受けている。また分子動力学法を用いた研究の結果はPhysics of the Earth and Planetary Scienceに投稿し、査読を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
珪酸塩液体―結晶界面の研究、および高圧力下における珪酸塩液体の構造と物性において今年度中にパブリッシュできる結果が出始めている
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今後の研究の推進方策 |
珪酸塩液体の構造と物性において、輸送特性と原子対に対する時間相関関数との間の関係を明らかにする。また輸送特性に関するモデル式(Eyringの式等)の係数と、構造データ、圧縮曲線との間の関係を明らかにし、単純な二成分系に関して、ナノ構造を明示的に含んだ定式化を行う。
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