研究課題/領域番号 |
13J02250
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
堀田 一敬 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
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キーワード | レブナー微分方程式 / 擬等角写像 / 擬等角拡張 / 等角写像 |
研究概要 |
本研究課題では擬等角写像とレブナー理論との親和性について、以下の事に注目し明らかにすることが目的である。 1. 等角写像の擬等角拡張拡張に対する、レブナー理論を用いたアプローチ 2. レブナー理論に擬等角写像を組み込み、新たな理論を構築 平成25年度はドイツに滞在し研究を進めた。特にドイツのWuerzburg大学を拠点とし、ヨーロッパのレブナー理論の研究者達を訪問し研究活動を行った。 1. 等角写像の擬等角拡張問題に関しては、近年導入されたL^d-レブナー関数の擬等角拡張性を明らかにした。まずはDenjoy-Wolff functionが単位円内の固定点の場合(radial case)、単位周上の固定点の場合(chordal case)について研究した。特にChordalの場合における擬等角拡張性現在まで知られておらず、Radial caseと同じ仮定のもとで擬等角拡張性が得られる事実は興味深い。Chordal caseの研究はローマのGumenyuk氏との研究により得られた。次に一般のDenjoy-Wolft functionの場合において、上記の結果をもとに近似の議論を用いて一般のL^d-レブナー関数に関する結果を得られないかを考察した。上記の研究と関係して、対外経済貿易大学の王教授と共に、レブナー理論による擬等角拡張条件を用いた積分作用素の擬等角拡張性について研究した。 2. ポーランドのPartyka教授と共に、単位円上定義された擬等角写像の媒介変数族を考え、その像領域が拡張していく時にどのような力学系を見出すことができるかを研究した。結果として、単位円の内部ではよい性質は期待できないことがわかった。これは擬等角写像がSchwarzの補題を満たさない事に起因する。一方で境界まで拡張した擬等角写像を考えた場合、境界上であればよい形の偏微分方程式が得られるであろう事がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レブナー関数の擬等角拡張性に関する研究は、計画とはやや方向性が異なってきたものの、L^d-レブナー関数の擬等角拡張性を示すのに際してDenjoy-Wolff functionにはいかなる付加的な仮定も必要としないという非常に一般的な結果が得られた。擬等角レブナー関数に関する研究は、期待した性質が予想通り得られるであろうという確証を得ることが出来た。どちらも計画通りの進行度で研究を進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後はレブナー理論における収束性に関する性質を調べていく予定である。つまりHerglotz Vector Fieldの列が与えられた場合、どのような仮定においてEvolution Familiesの列、またBerkson-Porta Dataの列がどのように収束するかを調べる。またその逆の関係性にも言及していく。 擬等角レブナー関数において、残る問題は単位円板上定義された擬等角写像の媒介変数族においてその時間偏微分の収束性を見る事である。引き続きPartyka教授と連携して進めていく。また、擬等角レブナー関数の具体的運用、また応用についても考察していきたい。
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