• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

生体鉱物の形成過程における中間相の構造・安定性について

研究課題

研究課題/領域番号 13J02283
研究機関早稲田大学

研究代表者

杉浦 悠紀  早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード生体鉱物 / 相転移 / バイオミネラリゼーション / 準安定相 / 中間遷移相 / 反応経路 / 溶液化学 / 添加物
研究実績の概要

本年度は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムの相転移ダイナミクス、多形形成プロセスに与える添加物の電荷や、親水性などの影響について検討を行った。生体中に含まれる様々なイオンや化合物は、遊離状態で存在しているだけでなく、化合物中に官能基などの形で含まれている。このように、同じイオンや官能基でも水和性などの違いが生体鉱物形成過程に引き起こす影響について、詳細な観察を行った。
炭酸カルシウム系においては、添加物のリン酸の電荷が多形形成に与える影響について調べた。生体環境下においては、遊離リン酸は主に一価のイオンとして存在しており、これはバテライトの形成を抑制する。ここでは、二価のリン酸源としてビタミンB2のリン酸誘導体のフラビンモノヌクレオチド(FMN)を用いて、二価のリン酸が炭酸カルシウム形成に与える影響について検討を行った。二価のリン酸イオン存在下では、バテライトが安定化し、カルサイトの形成が強力に抑制された。これは、一価のリン酸イオンとは真逆の影響であった。二価のリン酸が多く存在する高pH下においても同様の結果が得られた。
リン酸カルシウム系では、カルボキシル基の水和性がリン酸カルシウム形成に与える影響について検討した。疎水性カルボキシル基を金のナノコロイドに結合させることで、水中に多量に分散させた。疎水性カルボキシル基は、リン酸カルシウム形成時にリン酸第八カルシウム(OCP)という、水酸アパタイト(HAP)の前駆体に固有に存在する構造(HPO4-OH層構造)を抑制した。一方、水和性カルボキシル基として酢酸を添加したところ、逆にHPO4-OH層構造が発達した。
このように、同じイオンでも価数や、水和性の違いにより、生体鉱物形成に与える影響は真逆になるということを突き止めた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The effects of immobilized carboxylic-functional groups on the dynamics of phase transformation from amorphous calcium phosphate2015

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sugiura, Kazuo Onuma, Masahiro Nagao, Atsushi Yamazaki
    • 雑誌名

      American Mineralogist

      巻: なし

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Solution Chemical Synthesis of Hollow Vaterite Polycrystalline Particles for Advanced Biomaterial Applications2015

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sugiura, Kazuo Onuma, Atsushi Yamazaki
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 44 ページ: 20-22

    • DOI

      http://dx.doi.org/10/1246/cl.140823

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Dissolution behavior of Vaterite spherulites in solutions containing phosphate ions.2014

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sugiura, Kazuo Onuma, Masahiro Nagao, Koichi Momma, Yuki Kimura, Atsushi Yamazaki
    • 雑誌名

      Journal of the Ceramic Society of Japan

      巻: 122 ページ: 679-684

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.2109/jcersj2.122.679

    • 査読あり
  • [学会発表] 擬似人口タンパク質による水酸アパタイトの形成促進2014

    • 著者名/発表者名
      杉浦悠紀、小沼一雄、山崎淳司
    • 学会等名
      第44回結晶成長国内会議
    • 発表場所
      東京 学習院大学
    • 年月日
      2014-11-06 – 2014-11-08
  • [学会発表] ドラッグデリバリーシステム応用のためのナノ粒子集合体バテライト作製2014

    • 著者名/発表者名
      杉浦悠紀、小沼一雄、山崎淳司
    • 学会等名
      第27回秋季セラミックスシンポジウム
    • 発表場所
      鹿児島 鹿児島大学郡元キャンパス
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-11
  • [学会発表] アモルファス炭酸カルシウム(ACC)相変化へのリン酸イオンの影響2014

    • 著者名/発表者名
      杉浦悠紀、小沼一雄、山崎淳司
    • 学会等名
      第28回日本地球惑星科学連合合同大会
    • 発表場所
      横浜 パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-04-28 – 2014-05-02

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi