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2014 年度 実績報告書

顕微ラマン分光法を用いた地質温度圧力計の開発と応用 : 残留圧力から読み解く変成履歴

研究課題

研究課題/領域番号 13J02303
研究機関東京大学

研究代表者

纐纈 佑衣  東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)

キーワードラマン分光法 / 残留圧力 / 地質温度圧力計 / ホストー包有物 / ザクロ石 / ジルコン / 珪線石 / 藍晶石
研究実績の概要

本年度は、昨年度に論文として公表されたザクロ石-石英ラマン圧力計が、様々な地域の地質帯に汎用的に適用可能かを検討するべく、Himalaya Stak地域の高圧エクロジャイトについて分析した。ラマン分光分析の結果に加えて、ジルコン年代とザクロ石のEPMA分析データを統合した結果、Stak地域の高圧エクロジャイトは、ヒマラヤ地域の超高圧エクロジャイトとは異なる変成温度圧力履歴を経験した事が明らかになった。この成果は、インドーアジアプレートの衝突に伴う、大陸衝突帯形成及び上昇メカニズムの解明に大きな寄与を与えることが期待される。上記の結果は、国際学会でポスター発表により報告した。
ザクロ石-石英ラマン圧力計の研究手法を応用して、別のホスト-包有物の組合せで新たなラマン地質温度圧力計が構築可能かの検討を進めた。西アルプスPiemote Unit及びバリスカン造山帯Vosges地方で採取された岩石中に含まれるジルコンについてラマン分光分析した結果、同一粒子中でもラマンピークが一定の値ではなく、コアからリムにかけて変動する事が示された。これは、メタミクト化や微量元素の影響であると考えられ、ジルコンはホスト及び包有物として残留圧力を見積もるのには向いていない事が明らかになった。東南極Rundvågshetta地域の片麻岩中に含まれるザクロ石中の珪線石包有鉱物は、数値計算と整合的な結果が得られた。四国別子地域三波川帯の石英エクロジャイト中に含まれるザクロ石中の藍晶石は、測定では正の残留圧力を示したが、数値計算では負の残留圧力となり、一致しない結果となった。これは、数値計算で用いた藍晶石の状態方程式に問題があると考えられるが、今後精査する事で解決できることが期待される。アルミノケイ酸塩鉱物は、従来のザクロ石一石英ラマン圧力計では石英相転移のために適用する事が困難であった、高温変成岩及び超高圧変成岩にも応用が可能であり、ラマン地質温度圧力計がより多くの岩石に適用できる可能性を広げた。

現在までの達成度 (段落)

最終年度のため記載しない。

今後の研究の推進方策

最終年度のため記載しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Composite metamorphic history recorded in garnet porphyroblasts of Sambagawa metasediments in the Besshi region, central Shikoku, Southwest Japan.2014

    • 著者名/発表者名
      Kouketsu Y., Enami M., Mouri T., Okamura M. & Sakurai T
    • 雑誌名

      Island Arc

      巻: 23 ページ: 263-280

    • DOI

      10.1111/iar.12075

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The influence of organic-rich shear zones on pelagic sediment deformation and seismogenesis in a subduction zone.2014

    • 著者名/発表者名
      Kameda J., Kouketsu Y., Shimizu M., Yamaguchi A., Hamada Y., Hamahashi M., Koge H., Fukuchi R., Ikeda M., Kogure T. & Kimura G.
    • 雑誌名

      Journal of Mineralogical and Petrological Sciences

      巻: 109 ページ: 228-238

    • DOI

      10.2465/jmps.140403

    • 査読あり
  • [学会発表] ラマン地質温度圧力計の構築 : ザクロ石斑晶中の石英とジルコン包有物が保持する残留圧力からの制約2014

    • 著者名/発表者名
      纐纈佑衣, 田口知樹
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2014年年会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2014-09-19
  • [学会発表] 炭質物ラマン温度計を用いた三波川帯の温度構造の検討 : 関東山地と四国中央部の比較2014

    • 著者名/発表者名
      纐纈佑衣, 清水以知子, 苗村康輔
    • 学会等名
      日本地質学会第121年学術大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2014-09-14
  • [学会発表] Retrogression and recrystallization of the Stak eclogite in the northwestern Himalaya : constrains from Raman spectroscopy of residual pressures of quartz in garnet2014

    • 著者名/発表者名
      Yui Kouketsu, Kéiko Hattori, Stéphane Guillot, Nicole Rayner
    • 学会等名
      29th Himalaya, Karakoram and Tibet Workshop
    • 発表場所
      Lucca, Italy
    • 年月日
      2014-09-02
  • [学会発表] 関東山地秩父-三波川帯への炭質物ラマン温度計の適用2014

    • 著者名/発表者名
      纐纈佑衣, 清水以知子
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2014年大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-04-28
  • [備考] 東京大学地殻化学実験施設ホームページ

    • URL

      http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp/ronbun/

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公開日: 2016-06-01  

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