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2014 年度 実績報告書

協奏機能触媒開発に向けた層状結晶層間・表面の精密な設計

研究課題

研究課題/領域番号 13J02320
研究機関早稲田大学

研究代表者

朝倉 裕介  早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード協奏機能触媒 / 層状ケイ酸塩 / シリル化反応 / 塩基触媒
研究実績の概要

昨年度、層状オクトシリケート層間に規則的にピペリジノ基を固定化し、Si-OH基あるいはSi-OCH3とピペリジノ基のN部の距離が1つの固体中で一定な物質を合成し、触媒活性調査を行った。本年度は、昨年度確立した触媒合成法を基に、①層状物質を触媒として用いる際に問題となる層間へのアクセス性の低さを克服するための層間膨潤剤の利用および、②触媒の合成の一部を変化させることで一連の触媒を合成し、活性点近傍の環境の違いのニトロアルドール反応の変換率への影響調査の二つの研究を主として行った。
①昨年度合成した層表面に規則的に配列した触媒をニトロアルドール反応へ適用する際に、層間膨潤剤としてN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を導入した。その結果、DMFを導入しなかった場合に比して転換率が著しく大きくなったことが示された。層状オクトシリケート誘導体触媒をDMF処理しXRD測定を行うと、10 nm以上層間が拡大されたことを示す回折が観測されており、従来の層状ケイ酸塩に対する膨潤に比して非常に大きなものとなっていた。したがって、層間が膨潤されたことにより基質のアクセス性が上昇したことで、触媒活性が上昇したと考えられる。
②上記DMFで触媒層間を膨潤させながらの触媒反応は、10 nm以上の層間で基質が拡散するため、基質の大きさよりもはるかに大きな層間間隔を持って反応するため、一つの基質が層表面の活性点に対して相互作用する際に、隣の層の活性点が相互作用することが無視できる。そのため、酸点(Si-OH基)と塩基点(ピペリジノ基のN部)の距離の違いの協奏作用を調査しやすいと考え、DMF導入下で、酸点と塩基点の距離が異なる触媒を合成し、ニトロアルドール反応の転換率を調査した。活性が最も高い最適な酸-塩基点間の距離があることが示され、酸点と塩基点間の距離が触媒反応に大きく影響することが分かった。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Silylation of Layered Silicate RUB-51 with SiCl4 and Conversion of the Silylated Derivative to a Crystalline Microporous Material2014

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Asakura, Yasuhiro Sakamoto, Kazuyuki Kuroda
    • 雑誌名

      Chemistry of Materials

      巻: 26 ページ: 3796-3803

    • DOI

      10.1021/cm5014224

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 層状ケイ酸塩の層間縮合による多孔体形成に向けた層間修飾2014

    • 著者名/発表者名
      朝倉裕介, 黒田一幸
    • 雑誌名

      ゼオライト

      巻: 31 ページ: 78-87

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 層状オクトシリケート層間への15-クラウン-5-エーテルの導入2015

    • 著者名/発表者名
      廿楽英宏, 高山良介, 朝倉裕介, 黒田義之, 下嶋敦, 和田宏明, 黒田一幸
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      日本大学 理工学部船橋キャンパス
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] N,N-ジメチルホルムアミド存在下における層状オクトシリケート誘導体の触媒活性調査2015

    • 著者名/発表者名
      松本拓隼, 朝倉裕介, 下嶋敦, 黒田一幸
    • 学会等名
      日本セラミックス協会 2015年 年会
    • 発表場所
      岡山大学 津島キャンパス
    • 年月日
      2015-03-18 – 2015-03-20
  • [学会発表] 層状ケイ酸(H-Magadiite)のN-メチルホルムアミド中での還流を経由した層間縮合2014

    • 著者名/発表者名
      朝倉裕介, 穂坂奈美, 長田師門, 下嶋敦, 黒田一幸
    • 学会等名
      第30回ゼオライト研究発表会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2014-11-26 – 2014-11-27
  • [学会発表] 層状オクトシリケートを利用した酸-塩基触媒の合成とDMF添加による層間隔拡大・活性向上2014

    • 著者名/発表者名
      松本拓隼, 朝倉裕介, 下嶋敦, 黒田一幸
    • 学会等名
      日本化学会 第4回CSJ化学フェスタ
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2014-10-14 – 2014-10-16
  • [学会発表] 層状オクトシリケー トを利用した酸-塩基点間距離が制御された触媒の合成とその触媒能2014

    • 著者名/発表者名
      松本拓隼, 朝倉裕介, 下嶋敦, 黒田一幸
    • 学会等名
      第114回触媒討論会
    • 発表場所
      広島大学 東広島キャンパス
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27
  • [学会発表] 低次元シリケートCsHSi2O5におけるプロトンの振動状態2014

    • 著者名/発表者名
      岩本慧, 望月大, 長田師門, 朝倉裕介, 黒田一幸, 松井広志
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季年会
    • 発表場所
      中部大学 春日井キャンパス
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10

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公開日: 2016-06-01  

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