研究課題
これまで、本研究者は少ない試料から短時間で網羅的なプロテオーム解析を行うことができる解析手法の開発を行ってきた。昨年度までに、iPS細胞とヒト線維芽細胞(HDF)を試料として用い、ナノ液体クロマトグラフィー-質量分析計(nanoLC-MS/MS)によるプロテオーム解析を行った結果、約10,000遺伝子を同定・定量した。得られたタンパク量とマイクロアレイから得られた転写産物量を比較したところ、HDFと比較してiPS細胞には転写量比は小さくてもタンパク量比が大きい、転写後制御を受けていると考えられる遺伝子群が約800個存在することがわかった。それらの遺伝子群にどのような機能が濃縮されているかを調べたところ、RNA結合タンパク質やヒストン結合タンパク質が有意に濃縮されていた。さらに、iPS細胞における機能を調べるため、high throughput screeningシステムを用いてsiRNAによる約800個の遺伝子ノックダウン実験を行った。その結果、約60%(335個)の遺伝子はノックダウンしてもiPS細胞上での形態変化や増殖能の低下は見られなかった。一方で、約40%(293個)の遺伝子はノックダウンすると細胞のコロニー密度が減少し、iPS細胞の生存に影響がある可能性が示唆された。現在はこれらの遺伝子についてsiRNA実験の確認など詳細な検討を行っており、H28年度内には論文を投稿予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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BMC systems biology
巻: 9 ページ: 75-75
10.1186/s12918-015-0225-4
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/newslist/html-newsletters/201521/
http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/graduate-admission/invitation/message2/