研究課題/領域番号 |
13J02431
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北谷 亮輔 京都大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 脳卒中 / 歩行 / 理学療法 / 運動介入 / 筋電図 / 筋の同時活動 |
研究概要 |
本研究の1年目の研究計画として、脳卒中後患者の歩行時の筋の同時活動に与える因子の検討のため、修士課程までに測定したデータの追加測定と解析を行った。その結果、回復期病棟に入院中の脳卒中後患者では、脳卒中の影響を受けている麻痺側の筋の同時活動が減少しており、反対側の非麻痺側では筋の同時活動が代償的に増加していた。さらに、非麻痺側の筋の同時活動が代償的に増加している者ほど歩行速度が低下していた。一方、地域に在住している慢性期の脳卒中後患者では麻痺側の筋の同時活動が増加しており、筋の同時活動が増加している者ほど感覚などの他の因子よりも麻痺側の足関節底屈筋力が低下していた。これらの結果は回復期の脳卒中後患者は麻痺側の使用を避けて、反対側の非麻痺側を主に使用する代償的戦略を取っているのに対し、地域在住の慢性期の脳卒中後患者の方が麻痺側を歩行に使用出来ていることを示しており、回復期と慢性期の治療戦略として、それぞれの発症後期間に応じた理学療法介入が行われるべきことを示唆している。以上の結果を英文にて論文執筆を行い、現在国際学術雑誌に投稿中である。 さらに、2年目の研究計画になっている反復練習の即時効果についても検討を行った。上記の結果を基に、回復期脳卒中後患者では非麻痺側の代償を減少させ、麻痺側の使用を促すために、麻痺側への重心移動の反復練習を、慢性期脳卒中後患者では足関節底屈筋の活動を促すために、前方への重心移動の反復練習を行い、それぞれの即時効果を検討した。得られた結果はいくつかの国内および国際学会にて発表の申し込みが受理されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では1年目の研究計画として、脳卒中後患者の歩行時の筋の同時活動に与える因子の検討のため、修士課程までに測定したデータの追加測定と解析を行い、その結果を国際学術雑誌に投稿出来た。さらに、2年目の研究計画である反復練習の即時効果についてもデータの測定と解析を行い、国内および国際学会にて発表の申し込みが受理された。
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今後の研究の推進方策 |
当初、反復練習による即時効果の検討後は、すぐに長期介入研究による検討を行う予定であったが、即時効果が生じた原因の更なる検討を行い、長期介入研究で行う運動介入方法としてより効果的な方法を考案するために、新たな解析方法も交えて即時効果の追加測定と解析を行うように研究計画を修正している。
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