研究概要 |
1. コレステロール、酸化修飾を受けた20種のコレステロール類、トマチジンの標準化合物についてGCMS分析を行い、各化合物のリテンションタイムおよびマスそラグメントパターンを確定した。また、LCMSを用いたトマト植物体の内生α-トマチンの定量分析系も確立した。したがって、2.3.における詳細なin vitro酵素解析およびin vivo(酵素解析が可能になった。2. 組換え酵素を用いてin vitro酵素解析を行い、TCYP2(CYP72Al88)が22-OH-コレフテロールを基質にC-(25S)26位水酸化を触媒することを明らかとした。また、C-(16α)-16位水酸化を触媒する20GDlの基質特異性を解析した結果、(22S, 25S)-22,26-dioH-コレステロールが最適基質であることを明らかとした。3. TCYP2、20GD1のRNAiノックダウン体の内生化合物を分析した結果、両者ともα-トマチン内生量が減少し、それぞれ16,22-diOH-コレステロール、22,26-diOH-コレステロールを蓄積した。4. リアルタイムPCRによるトマト組綿別発現解析を行った結果、これまでに同定した生合成遺伝子と共発現している機能未知の遺伝子が複数見出された。 2.3.の結果から、α-トマチン生合成においてTCYP1(CYP72A208)がコレステロールC-22位を水酸化した後、TCYP2、20GD1がそれぞれC-(25S)26位、C-(16α)16位を水酸化し、(16α, 22S, 25S)-16,22,26-triOH-コレステロールをヰ間体とすることが明らかとなった。以上より、双子葉のトマトのα-トマチン生合成経路の解明を部分的に達成した。
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