研究課題
皮膚免疫担当細胞のアトピー性皮膚炎に果たす役割の解明を目指し、昨年度はTh17細胞およびγδT細胞から産生されるIL-17Aに注目して研究を進め、IL-17Aが複数のマウスADモデルにおいてTh2誘導に促進的に作用することを証明した (Nakajima et al., JID, 2014)。IL-17Aは、Th17関連疾患だけではなく、これまでTh2型皮膚炎症性疾患として考えられてきたADの新規治療ターゲットとなり得ることが期待される。すでに国内でもADの治療薬として抗IL-17A抗体投与の臨床試験が開始されているが、その成果に期待が持たれる。更に今年度、我々はこれまで報告されているマウスADモデルが、ヒトADとどの程度相関しているのか、複数のマウスADモデルを用いて、AD様皮膚炎を発症しているマウス皮膚をサンプリングし、その解析を行った。これらサンプルからmRNAを抽出しmRNAレベルでどの程度の相関が見られるか解析を行っていく予定である。同時にヒトAD病変部・非病変部からのサンプリングも行い、同様にmRNAを抽出し、解析を行っていく予定である。サンプルは既に採取を終了しており、mRNA抽出、cDNA作製も完了している。
2: おおむね順調に進展している
昨年度、IL-17Aというサイトカインに着目してADの病態で果たす役割について検討を行ってきたが、今年度は、マウスADモデルがヒトADとどれほどの相関を持っているのかを検討することとし、研究を進めてきた。複数のマウスADモデルからのサンプル採取、およびヒトAD病変部・非病変部からのサンプリングを行い、mRNA抽出およびcDNA作製を完了した。
来年度は、マウスADモデルがmRNAレベルでどれほどヒトADと相関しているのか、引き続き解析を行っていく予定である。また、皮膚免疫担当細胞に関連する注目すべき分子の候補が得られれば、さらにその分子についてマウスADモデルでの検討およびヒトサンプルでの検討を行っていく予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
Semin Immunopathol
巻: 37 ページ: 73-80
10.1007/s00281-014-0452-6
J Invest Dermatol
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10.1038/jid.2014.51.