研究課題/領域番号 |
13J02464
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲田 友弥 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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キーワード | 列状植栽 / 低地フタバガキ林 / 林内光環境 / 全天写真 |
研究実績の概要 |
インドネシアボルネオ島の低地フタバガキ林では生産性の維持のために有用樹種の列状植栽施業が行われている。本年度は列状植栽施業が実施されている森林の光環境について行った調査結果を論文にまとめ発表した。本論文では択伐と列状植栽が森林の光環境に与える影響について、原生林と択伐のみの施業と択伐と列状植栽を組み合わせた施業の2つの異なる施業を行った森林の光環境を全天写真撮影によって調査、比較することで明らかにしたものである。調査の結果、施業によって森林内の光環境は影響をうけることがわかったが、植栽列を設けることによる光環境への影響は択伐のみを行った森林との比較からは見られなかった。また、苗が植栽される植栽列内において光環境が大きく異なっており、植栽された個体間でその光環境に大きな差があることがわかった。論文発表後の研究によりこの植栽列内での光環境の差は植栽個体の長期的な生残と成長に影響することが示唆された。 この光環境の全天写真撮影に関しては定点観測を継続しており、一年後の植栽列においても光環境には差が見られ、この結果については国内学会と国際学会において研究発表を行った。 本年度に計画していた現地調査は調査地の悪天候のため延期となったため、本年度は現地調査を行うことができなかった。そのため、これまでの研究成果について、異なる施業が行われた森林の10年間の個体群動態の比較による施業の持続可能性の評価に関する論文と、列状植栽施業により植栽された個体の成長と生残に周囲の樹木が与える影響についての論文の執筆を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に予定していた植栽された稚樹の初期成長と生残への光環境の影響について、現地調査を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行われる予定であった調査は次年度に延期になったが、研究目的の達成は可能と考えられるので研究計画の大きな変更はせず、次年度での遂行を目指す。
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