研究課題
最終年度は(1)高速点火方式慣性核融合におけるDD中性子計測、(2)ダイヤモンド放射線検出器のFano因子評価、半導体デバイス作製の一環として(3)ダイヤモンドアバランシェダイオード作製の3つに取り組んだ。(1)では前年度まで行ってきたノイズ対策をさらに発展させ、自作した銅製ファラデーケージの導入により爆縮時の電磁ノイズをオシロスコープ量子化誤差程度まで低減、米国NIFよりも3桁以上低い10^8 neutrons/shot台の中性子発生数においても中性子信号の観測に成功した。(2)では前年度に電荷キャリア輸送特性を改善したダイヤモンド放射線検出器に対しα線を用いて詳細なエネルギー分解能評価を行い、ダイヤモンド放射線検出器として初めて実験的にFano因子を得た。シリコン表面障壁型半導体検出器との比較により電子正孔対平均生成エネルギー:ε=13.1eVを得た。エネルギー分解能の実測値は0.3086±0.004%とダイヤモンド放射線検出器としてトップクラスの値を得た。回路ノイズを誤差伝搬の式により差し引いて得られた検出器固有エネルギー分解能は0.2250±0.0004%であった。実験的に求めたこれらの値からファノ因子F = 0.382±0.007を得た。また、導電性基板上への気相成長を行い、キャリア輸送特性のさらなる改善を試みたが、大幅な輸送特性改善は見られなかった。(3)のアバランシェダイオード作製への取り組みではダイヤモンド上に線幅1μm、100μmピッチの細線パターンを電子ビームリソグラフィにより作製マイクロプロバーシステムでコンタクトを取りα線誘導電荷量分布測定を行った。細線部に対してコネクタの上限である250Vを印可したが優位な信号の増幅は観測されなかった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/higedon/?page_id=23