研究概要 |
今年度は、熱帯多雨林における葉圏菌相を中心に研究し、その成果を国際生態学会(INTECOL)で発表した。 インドネシアのShorea leprosula(フタバガキ科)植栽林において4プロットを設置し、葉を採取した。葉からDNAを抽出し、菌類の種同定に有効なITSI領域をPCR増幅し、当研究室の次世代シーケンサーを用いて塩基配列解読を行った。得られた塩基配列データに基づき、菌類の種多様性や種組成を明らかにし、植物の個体間、プロット間の差異を統計的に解析した。次世代シーケンサーから得られた655,368配列の塩基情報について解析を行い、95%以上塩基配列が類似しているものを、操作的分類群単位(Operational taxonomic unit ; OTU)にまとめた。得られた塩基配列本数に対する菌類OTU数の希薄化曲線が飽和しなかったことより、東南アジア熱帯多雨林における驚異的な葉圏菌類多様性が示唆された。また、2000㎡の1植栽林分内でも場所毎に異なる葉圏菌類相が形成されていることが明らかになった。 尚、本研究成果に基づく英語論文は、現在執筆中である。
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