研究課題/領域番号 |
13J02712
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福富 江利子 京都大学, 東南アジア研究所, 特別研究員 : DC2
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キーワード | 地域在住高齢者 / 介護保険 / 認知機能 / 基本チェックリスト |
研究概要 |
「主観的な物忘れ」の自覚があり、調査地保健師がフォローしていない高齢者の自宅へ訪問し、会話をしながら日常生活で困っていることを具体的に聞くとともに、物忘れの程度を、スケールを用いて評価した。また、訪問対象者のライフヒストリーも伺った。自宅訪問で得られた情報は、現地行政保健師と情報共有し、保健師やケアマネージャーによるフォローや、医療機関受診につなげた。 調査地で毎年、65歳以上の自宅在住高齢者に配布している「健康問診票」に「主観的な物忘れ」の評価スケールを新たに追加した。さらに、同調査地で毎年実施している高齢者の生活機能評価健診のロジスティックを担当した。この健診によって得られた客観的な生活機能と、健康問診票で得た「主観的な物忘れ」との関連を検討した。その結果、物忘れの自覚がある高齢者は、客観評価した認知機能(Mini Mental State Examination)が統計的にも低いことを明らかにした。 これら研究活動で得られた情報をもとに、2編の論文を執筆した。新規要介護認定者と基本チェックリストの各カテゴリーとの関連にっいて検討した。その結果、男性では、基本チェックリストで「運動機能低下」と定義された男性高齢者は、2年間の内、定義されなかった男性よりも、有意に新規要介護認定されることが明らかになった。これらの成果は、英語論文としてGeriatric and Gerontology Internationalに投稿した。現在、校正中である。調査地で実施している介護予防事業の効果を検討した。その結果、介護予防事業参加者の方が不参加者よりも高度な日常生活機能の維持、転倒リスクの軽減が可能なことが確認された。これら結果は日本語論文として保健師ジャーナルに投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文を2編投稿できた。
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今後の研究の推進方策 |
25年度で得られた知見をもとに、要介護認定に至るまでに変化する生活機能に焦点を充て、それら生活機能が維持。改善できる介入を実施する。 介入方法 : 1回の教室を90分間実施し、週2回×3か月間行う。 介入内容 : ・運動機能 : 筋カアップ体操、有酸素運動 ・認知機能 : ・栄養指導 : 参加者の食事内容を記録してもらい、栄養専門家による個別指導 評価方法 : (1)介入効果と持続可能性 : (i)介入前、介入直後の認知・生活機能の変化(ii)介入後、半年毎の認知・生活機能の変化 (ii)介入後1年間の新規介護認定の有無
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