研究課題
前々年度と前年度に引き続き、あかり衛星に搭載された赤外線カメラIRCで取得された近赤外線スペクトルデータの評価を行い、これまでの成果を学位論文としてまとめ、2から15ミクロンの赤外線分光観測により、これまで個別に評価されてきたPAHのサイズや化学組成などの性質を包括的に調査する手法を提示した。また、赤外線分光観測による星間空間に存在するPAHの形成と進化を探る新たな手法の開発を目的として、前々年度と前年度に行った重水素を含む炭化水素化合物の合成・測定実験のデータの解析と整約を行った。その結果、重水素化によりPAHの放射効率の減少は、aromaticな構造では0.56倍、aliphaticな構造では0.38倍と少ないことを実験的に初めてあきらかにした。本結果は、Onaka et al. 2014における、あかり衛星の観測結果はPAHが星間空間における重水素の主要なリザーバーではないということを示すものである、という我々の主張を実験的にサポートするものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Astronomy & Astrophysics
巻: 586 ページ: A65-A74
10.1051/0004-6361/201526809
Planetary and Space Science
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