研究課題/領域番号 |
13J02799
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉成 晃 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 植物栄養学 / ホウ素 / 細胞生物学 / シロイヌナズナ / エンドサイトーシス |
研究実績の概要 |
BOR1の偏在と分解を制御する分子メカニズムを明らかにするために、以下の研究を行った。 1)BOR1分解変異株の解析 申請者は、BOR1-GFP過剰発現株を用いた変異体スクリーニングによって、高ホウ素条件下においてBOR1-GFPが分解されない変異株bid1 (boron-induced degradation 1)を獲得している。次世代シーケンス解析の結果、bid1はヒスチジン生合成経路で機能するAPG10遺伝子にアミノ酸置換変異をもつことが明らかになった。これまでに、apg10変異体にBOR1-GFP遺伝子を導入した形質転換体や、変異型APG10にRFPを融合したタンパク質を発現する形質転換体の作出を行っている。 2) BOR1のエンドサイトーシス経路の解析 BOR1の細胞内輸送におけるクラスリン依存的エンドサイトーシス(CME)の寄与を解明するために、CMEに重要なクラスリン重鎖 (CHC) やダイナミン様タンパク質1A (DRP1A) のドミナントネガティブ阻害実験を行った。その結果、CHC、DRP1Aの阻害条件下でBOR1-GFPの偏在、分解、そして構成的エンドサイトーシスが阻害されたことから、BOR1はCMEによって細胞内へ取り込まれることが示唆された。次に、CMEで積み荷となる膜タンパク質の選別に重要なAP2 µサブユニットの変異体 (ap2m-2) を用いた解析を行った。興味深いことに、ap2m-2変異体においてBOR1-GFPの偏在や構成的エンドサイトーシスが著しく損なわれたものの、ホウ素に応答した分解は野生型同様に行われることがわかった。これらの結果から、BOR1の細胞膜上での偏在維持にはAP2に依存したCMEが、分解にはAP2に依存しないCMEが重要である可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、BOR1の細胞内輸送におけるクラスリン依存的エンドサイトーシスの寄与について論文を作成している。
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今後の研究の推進方策 |
まず、bid1変異株とapg10変異株との交配によるアレリズムテストによって、bid1原因遺伝子の遺伝学的証明を行う。また、変異型APG10の細胞内での動態、bid1変異株におけるアミノ酸蓄積量等の解析を行い、なぜヒスチジン生合成経路の異常がBOR1の分解を阻害したのかを明らかにする。また、AP2以外のクラスリンアダプターの解析にも取り組み、エンドサイトーシスとリサイクリングを統合した、BOR1の細胞内輸送のモデルを構築する。
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