研究課題/領域番号 |
13J02806
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浅野 史代 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 西アフリカ / 女性グループ / 女性のネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、西アフリカ村落部の事例をもとに、女性が様々に形成するネットワークと開発援助の関係からアフリカ村落部のオルタナティヴな発展モデルを確立することを目的とし、平成26年度は、女性たちの生活戦術から開発援助のあり方を問い直し、在来知の活用を検討することに重点を置いた。カメルーン村落部にて約1ヶ月間、ブルキナファソ村落部にて1ヶ月半の人類学的手法に基づく調査をおこない、現地調査で得られたデータ、また前年度に得られたデータの分析をおこない、現在、文化人類学、地域研究が開発援助に貢献可能な手法の探求中である。 ブルキナファソ村落部での調査は、前年度に得られた女性のネットワークの形成に関するデータに基づき、地区内、屋敷内、同出身村、友人間、のカテゴリ別の女性グループを組織し、各々に小規模商売をおこなってもらった。地縁、血縁、社縁によるネットワークでグループを組織することで、円滑な活動に結び付くのではないかと推測したためである。加えて、カメルーン村落部でこれまでに得られた農業グループや互助組織の活動内容を分析し、現在、ブルキナファソの女性グループとの異同を考察している。この考察結果は、女性のネットワークに基づくグループと、既存のプロジェクトグループとを比較することが開発研究に対して大きな特色を持つ。また、ワガドゥグ大学院の研究者と本研究の展開すべき点、再考すべき点などを議論し、新たな知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブルキナファソで生じたクーデターにより、渡航の延期を余儀なくされ、その結果、調査期間を短縮せざるを得なかったにもかかわらず、必要なデータを収集できたことは評価に値する。本年度に計画していた女性グループによる実証実験もおおむね順調に進んでいる。カメルーンに関しては、調査・分析ともに順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、ブルキナファソにて約1か月間、実証実験の追加調査をおこなう。そこで得られたデータを整理、分析し、西アフリカにおけるローカルな開発/発展モデルを提示した著書を執筆し、刊行する。 地域の詳細な知識を開発実務者と共有可能なものにするため、人類学者、地域研究者が有する西アフリカの情報に関してデータベース化を試みる計画であったが、年度内には完了しない可能性が高い。これに関しては、年度終了後にも引き続き進める。
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