東アフリカの乾燥地域における畜産資源の市場ネットワークの動態を明らかにすることを目的とした本研究において,1年目の平成25年度は「研究内容」のうち,とくに「国家が家畜の市場化をどのように認識し関与してきたのかを歴史的に解明する」という課題に集中的に取り組んだ。具体的には,イギリスの国立公文書館とオクスフォード大学ローズハウス図書館で関連する資料を収集した。2年目に当たる平成26年度の前半は,そこで得られた資料の分析に当たり,その成果を『アフリカ研究』誌 (採録決定済み) と『年報人類学研究』誌 (査読中) に論文として投稿した。また,この期間中には,本研究と関連のあるアフリカ史分野で近年刊行された英文著書の書評を執筆し,『アジア・アフリカ地域研究』誌と『アジア経済』誌 (採録決定済み) に投稿した。一方で,平成26年度末には,「研究の目的」で述べたもう一つの課題―ケニアの市場間で活動する諸アクターの媒介的な意義を明らかにすること―について詳細な資料を得るためにケニアに渡航し,フィールドワークと関係省庁 (農業・畜産・漁業省) での聞き取り調査と資料収集をおこなった。
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